「一緒に経営する」新しい投資会社の形。 ‐ マーチャント・バンカーズ株式会社 代表取締役副社長CFO兼財務経理部長 髙﨑 正年

1947年創業。創業74年、上場72年。マーチャント・バンカーズグループは、主にマーチャント・バンキング事業とオペレーション事業を行う。【事業内容】2つの事業セグメントを通じて事業を展開する。マーチャント・バンキング事業は、主に日本及び中国の企業・不動産向け投資事業等を営む。オペレーション事業は、主に宿泊施設、飲食施設及びボウリング場の運営・管理等を行う。また、病院給食の提供も行う。


マーチャント・バンカーズ株式会社 代表取締役副社長CFO兼財務経理部長 髙﨑 正年

 

経歴:

  • 1990年 4月国際証券株式会社(現三菱UFJモルガンスタンレー証券株式会社) 入社 
  • 2003年 4月株式会社アートポート入社 
  • 2013年 2月アートポート不動産株式会社(現アートポートインベスト株式会社)代表取締役 2014年 1月当社投資事業部部長 
  • 2015年 10月当社執行役員投資事業部部長 
  • 2016年 4月当社執行役員CFO兼財務経理部長 
  • 2016年 6月取締役CFO兼財務経理部長(現任)

 

◎事業内容を教えてください。

私たちは1947年に創業して、上場から72年の会社になります。現在のメインの仕事は不動産の収益物件の売買です。主に大都市のマンションなどになりますが、ネット利回り5%以上を一つの基準にして投資をさせて頂いています。ここで安定的に収益を獲得しています。ご存じのように不動産事業はあらゆる事業の中でリスクの小さい部類に入ると考えています。ここでしっかりとした事業の土台を作り、その上でNFTやブロックチェーン事業

そこから医療に関連がある事業に主に投資を行っております。

 

◎現在はどの事業を見られているんですか?

NFT全体を見させて頂きながらも、不動産業や投資事業をマーチャント・バンカーズではメインで行っているのでそちらにも携わらせて頂いております。

 

◎入社された当時は事業責任者として入社されたんですか?

そうですね。財務経理責任者として入社しました。

 

◎当時大変だったことはありましたか?

私が入社した当時はリーマンショックの影響もあり、赤字体質の状況になっておりました。不動産事業で現在は100億円の資産がありますが、当時は30億円で家賃収入に関しても3億円に満たない状況でした。この中で黒字体質をしっかりと構築していこうと動き、金融機関からのご支援も頂きながら土台を作ってきました。ここが私が入社してから5年間で行ってきた大きな部分になります。

 

◎実際に黒字体質にするために行ったことは何ですか?

不動産事業に注力をしていこうと動いていたので、ひたすら物産情報ルートを様々な方のご協力も頂きながら、収集していました。それから金融機関からご紹介頂いたりすることもありました。その他には自分たちの足で乗り込んで作ったりしていました。

 

◎組織全体を巻き込んで行う事になるのでかなり大変な事だと思いますが、円滑に進めていく上でどのような事をされましたか?

来るもの拒まずという形でとにかく周囲の意見を受け入れ、円滑に進むように工夫しました。あとは元々アートポートインベストでいろんなルートをもってやってきたので、情報を持たれている方を大切にしつつ、ルート作りを行ってきました。そこに尽きると思います。

 

◎現在NFTの事業もされていますが、これはどういう意思決定から参入されましたか?

約3年前からMBKブロックチェーンという会社を立ち上げました。不動産事業は手堅い反面、不動産事業の事業価値を高めるにはとにかく投資を増やしていくことでしか出来ないんです。なので先を見据えて将来性のある夢のある事業をやってほしいという事が求められていると思うので、そこでブロックチェーンに2019年に参入しました。

 

最初は仮想通貨交換所に投資させて頂いて、1年から2年ほどで売却して利益を得ました。そこから仮想通貨に力を入れていこうと考え、株式会社バルティック・フィンテ ック・ホールディングスを子会社化し、エストニアに仮想通貨交換所を作りました。仮想通貨市場は非常に市場の流れが速く、仮想通貨交換所は元々は低コストで収益が得やすいものでした。現在は法規制も入り、銀行並みの管理体制を作る必要があります。また、大企業も参入してきました。そこでなかなか仮想通貨の交換だけではビジネスとして難しいと考えました。もともと仮想通貨交換の事業を行ったのは、不動産の流動化に伴い、仮想通貨やブロックチェーンの技術を使うSTOをやろうと考えエストニアに仮想通貨交換所のライセンスを改修しました。ただ、STOが世の中で認知された割には現在普及が進んでいないです。これは非常に規制が厳しくされている関係もあり、市場の参入ハードルが高い状況です。

 

そこで仮想通貨やブロックチェーンを別の形で活かしていこうと考えました。そこで弊社の大株主の会社様がインターネット通販サイトを行っており、仮想通貨と親和性があると考え、NFT事業に参入しました。

 

◎実際にNFT市場に参入する際、大変だったことはありましたか?

実際に立ち上げてみて、仮想通貨の世界とブロックチェーンの世界、そして私たちが本業にしている不動産の世界は全く別の世界でした。不動産というのは非常に目に見える形で残る資産ですが、その一方で仮想通貨やブロックチェーンは価値が目に見えずらい部分があり、全く異なるのでそこは大変だと感じています。

 

また、売上利益の上げ方もこれまでと異なるので、そこは今もNFTやブロックチェーン分野でどのように売上利益を出すのかは試行錯誤しています。

 

◎NFT分野ではどのように差別化をされていますか?

いま金融商品として市場にある商品は「買えば利益がでます」というロジックの見えない商品がNFT市場でも出回ったりしてます。そこで私達は実体のあるものを取引していこうと考えました。例えば、絵画や車など形にあるものを取引できるようにしました。国内初の現物との交換(Redeem)が可能なNFTマーケットプレイスとして、投機目的のNFTではなく、ジャパニーズキャタクターを中心としたお宝グッズをデジタル証明書としてNFT化し、制作者や売買の履歴をトレースでき、また、現物への交換も可能な形で、世界のコレクターに安心して、コレクションの売買を行って頂く場として、立ち上げました。その事例の一部として京都の株式会社くろちく様と提携し、販売している工芸品をNFT化して売買できるようにしました。

 

その他には個人が所有するヴィンテージカーのNFT化し売買できるようにしました。

ですが、NFTというのはあくまでも手段であり、主役は商品という捉え方をさせて頂き、その裏付けとしてNFTを活用する形で動いています。

 

一般的にはNFTというのは金融商品として注目されていますが、私たちはあくまで物を売買するという形で行っています。その物をスムースする為の手段としてNFTを活用しています。なので将来的には不動産もNFT化していくと思います。

 

◎独自のビジネスモデルで事業をされていますが、このアイデアがでたきっかけはありましたか?

MBKブロックチェーンを立ち上げた時に仮想通貨やブロックチェーンとICOが流行っていました。その中で私たちはICOは資金調達や金融的な意味での仮想通貨の意味合いが強く、そこにはあまり着目していませんでした。海外から日本に働きに来ている方が日本で銀行口座を作りたいという時に、口座を作りづらいということがあります。なのでそこを仮想通貨で送金が出来るようにしたり、日常生活での決済手段として活用できるように考えMBKブロックチェーンを作りました。

 

◎今後のビジョンを教えてください。

私達は今後も足腰の土台が強い会社を作っていこうと考えています。一番事業として安定しているのは不動産での収益物件からの収入になってくるので、ここに対する投資を引き続き行っていきます。現在は家賃収入が7億円ほどですが、将来的には10億円にまで持っていけるように動いています。

 

その上でブロックチェーンを含め、その他には医療分野にも参入をしていきます。社会課題の解決に繋がるサービスやより多くの人に役立つ技術、薬や治療に対して事業を展開したり、投資をしようと考えています。この分野に参入することで会社全体の成長性や収益性も担保していくことも考えています。

 

医療分野は特に不動産と比較して事業リスクは高くなると考えているので、あくまでそれに耐えられる事業基盤を構築した上で投資をしていきます。

 

◎また新たな分野への投資や事業展開をされることは大変だと思いますが、投資をする上で大切にされている考えなどありますか?

出回っている情報だけで判断しないことです。投資や新たな事業を展開することは大変なことではあります。当然ながらそこには様々な方々のご協力があった上で私たちも動くので、一筋縄に上手くいくことばかりではありません。大変と言えば大変ではあります。会社を成長させる上でやるべきことは何かを明確にして1つ1つ行動していくだけなんです。後は世の中に出回っている情報で判断をしないことがとても大切になってきます。あらゆる方法を用いて、オリジナルの情報を収集することが結果的に正しい判断を迅速に行えるようになると考えています。

 

◎事業への投資判断は大きな決断にもなると思いますが、高崎様のご経験から大切にされていることはありますか?

失敗をしないことが一番だとは思います。ですが、百発百中という事は投資の世界ではあり得ないことだと考えています。そこで大切なのはいかに失敗から学び、次に活かすかです。失敗からは必ず経験としても成長機会にはなりますし、何よりも次に同じ失敗をしないようにナレッジを蓄積する機会にもなります。こういった経験から鍛えられるので、失敗から逃げず、継続し続けることが大切だと考えています。

‐本日インタビューしたマーチャント・バンカーズ株式会社様の情報‐

会社HP:https://mbkworld.co.jp/

NFTバンカーズ:https://nft-bankers.com/

NFT‐LaFan ECサイト:https://nft-lafan.com/