働くすべての人を幸せにするために。 – アクシス株式会社 代表取締役社長 末永 雄大

今回は、「ヒトとITのチカラを活用して、働くすべての人を幸せにする。」というミッションを掲げ、働く人のことを一番に考えた人材サービスを展開するアクシス株式会社、代表取締役の末永雄大様にインタビューを行いました。

アクシス株式会社という社名は、「誰もが自分の軸にまっすぐ生きられる社会にしたい」と想いが込められ、軸という意味の「アクシス」という言葉を選ばれたそうです。徹底的に求職者に寄り添ったエージェントとして、カウンセリングやメディアなどで転職支援をしています。

末永 雄大  ーアクシス株式会社 代表取締役/創業者ー

北海道小樽市出身、青山学院大学に進学し、上京。学生時代にSNS系の会社を起業。卒業後はリクルートキャリア、サイバーエージェントで法人営業に従事。2012年にアクシス株式会社を起業。

 

起業前のサラリーマン時代においても人材業界で働いていらっしゃいますが、元々人材業界への興味があったのでしょうか?

元々は人材業界よりもSNSに興味がありました。なので、大学時代は友人と一緒にSNS関連の学生ベンチャーを設立して、当時アメリカで流行り始めたばかりだったLinkedInのようなサービスの日本版を作成したいと考えていました。

まだSNSはほとんど普及していなかった時代だったので、ネット業界でも「SNSは儲からない」と言われていました。LinkedInを知って、このサービスはきちんと市場を捉えていて素晴らしいし、今後SNSのビジネスモデルとして発展しそうだと直感的に感じて魅かれました。

しかしながら、まだ学生だったため転職市場が分からないということでまずは知識を付けるために新卒で当時のリクルートエージェントに入社するところから始まった次第です。

今後独立する上で何をするにしてもインターネットマーケティングやWebマーケティングを身につける必要があると感じ、これらを学ぼうと異業界転職でサイバーエージェントに転職しました。しかし働いているうちにマーケティングなどは手段でしかないと思うようになりました。そこで、より人の生活や人生に役立つものに関わりたいと考え、やはり人材業界に戻ろうと決心しました。

 

では、起業する際は「人材業界」というのは決めて起業を?

そうですね。そうとは言っても、最初から資金調達をしてたわけではなかったので、収益を上げる必要がありました。また、どういうビジネスに参入していくかやビジョンも明確ではなかったので、立ち上げの時は1年ほど紹介事業やりながら、資金を集めていました。

 

先行きが見えない不安はありましたか?

そうですね、食べていくには売上を上げないといけないので生きるのに必死でした。しかし、このまま会社員に戻るのはかっこ悪いなと思ったり…。なので、ここで会社員に戻るよりはこのまま頑張っていこうと思いました。

 

資金を稼ぐ1年間から、実際にどの分野にお金を投資して事業をしていくのか決める際はまず何をしたのでしょうか。

最初は色々な経営者にひたすらに会って、どの分野・市場を狙うべきかをリサーチして回りました。20~30人は会ったと思います。

例えば、当時はソーシャルゲームが伸びていたので、リクルートの内定者同期でゲーム会社を経営している知人に、だいぶご無沙汰していましたが急遽連絡しました。

「ソーシャルゲームって儲かるの?今後成長するの?」などと単刀直入に話を聞いていたのですが、その事業をやる動機がとてもビジョナリーな方で。ソーシャルゲームをエンターテイメントとして捉えて、人の人生を豊かにしたいという話を聞いたときに、自分の考えを改めさせられました。

この件がきっかけで、私も自分の強みを活かせて、しっかりとしたビジョンを持てる土俵で根を張って事業を経営していかなければ長期的に見た時に成功できないと思うようになりました。ビジョンやミッションを掲げて現在も働くことができているのは、この時の影響がとても大きいと考えています。

 

そのヒアリングを通して、現行のサービスの形に固めていったということですか?

元々は人材業界以外でいくつか検討はしていましたが、ヒアリングを通して自分の価値観を見つめなす中で、求職者個人に向いてビジネスをしていきたい気持ちが固まりました。

正直なところ、最初はライスワーク的にスタートした人材紹介事業だったのですが、その人材紹介事業を通して、法人営業しかやってこなかった私が初めて求職者と話すことになりまして。そこで気が付いたのが、多くの人が「大量に求人紹介された後ずっと放置されていた」などの大手紹介会社の不満を口にしているということでした。

自分がリクルートで働いていた時に、周囲の社員は優秀で良い人ばかりでしたし、会社に一切の不満なく辞めたので、ここまで評判が良くないことに初めて気が付かされました。この経験から、紹介会社社員の問題ではなくて、ビジネスモデルや組織の構造に問題があると分かりました。

20代の転職者10人会ったとしたらみんな同じことに不満に抱えてたので、ここに私が向き合うべき課題があるのではないかなと思うようになりました。どうしても人材会社は求人を出す側の企業を向いてしまっている会社が多い印象であったので、私は個人を向いてビジネスをしていくことで、HRの領域でも発展性があるのではないかと思うようになりました。

2012年に設立してから2013年には個人を幸せにしていきたいという事業の軸も決めて、紹介事業で利益を稼ぎながら、その利益を投資して、今はまだない、働く個人が幸せになるようなWEBプラットフォームサービスを作ろうとしてたという流れですね。

事業の軸を決定してからの失敗談は何かありますか?

たくさんあるのですが、大きく分けると3つありました。まずは、アイデアが先行してしまったこと。2つ目はシステム開発を外注してしまったこと。3つ目は売上規模が小さいのに新規事業へ投資をしてしまったことです。

 

アイデアが先行していたとは具体的にどのような失敗だったのでしょうか?

スタートアップ起業家に結構あるあるな失敗談だと思っているのですが、簡単に言うと何か面白い、新規性の高いビジネスモデルや、プラットフォームを作ろうなどの、派手なことをしようとしてしまいました。

求職者と直接話して得た現場感覚やWebマーケティングの知識などを持ってビジネスモデルを考えてるつもりではあったのですが、お客さん、ユーザー目線ではなくて、自分のエゴというか、かっこいい、面白そう、目新しい、みたいなところに走ってしまい、お客さんの役に立つとは全く関係ないものができてしまいました。

 

その失敗に気が付いた経験談や、きっかけはありますか?

当時、営業を知人紹介だけでやっていました。元々SNSで起業していた身なので、SNSの友人の数や使い方には自信があって、転職ノウハウや成功事例から求職者さんから御礼の菓子折りいただきましたなんてことまでSNSに投稿していました。

そこから転職相談や紹介などが来るようになって営業をせずに集客を続けていたのですが、将来を考えた際に、このままだと知人経由の紹介が枯渇してくるだろうなと不安になりまして。自分が関わりたいと考えている20~30代のキャリア支援をするには、自分が歳を取ると知人紹介での集客では限界があると考えました。

そこで代理店営業網やアフィリエイトネットワークのように、知人紹介をプラットフォーム化して紹介してくれる人のネットワークを増やそうとしました。でも、自分にも限界が来るように知人紹介してくれる人にもすぐに限界が来ることや、結果としてねずみ講のようになってしまうリスクにも気が付いて10ヶ月でサービスをクローズしてしまい、数百万以上のWEBアプリ開発費用や膨大な時間を無駄にしてしまいました。

 

サービスのクローズ後は失敗を活かして新規事業を?

前のサービスの失敗から得られたことは、エージェントと紹介者、もしくは求職者との信頼関係が大切だということでした。誰もが、よくわからないエージェントに紹介したがりません。しかし、広告費をかけている知名度が高い大手エージェントばかりが目立つのが現状で、良質な中小や個人のエージェントはたくさんあるのに、全く目立てていませんでした。

そこで良質なエージェントを束ねてスポットライトを当てようと新しいサービスを立ち上げようとしました。それが、エージェント個人の強みや得意分野などのプロフィールをサイトで紹介したり、転職支援の口コミや企業情報や転職のQ&Aを集めたりするWEBサービスでした。

 

失敗したことから学んで、さらにブラッシュアップしたサービスを作るに至った形ですね。

そうといえばそうなんですが、実はこれも失敗でした。結局このサービスもプラットフォームで、想いは本気でしたが、ある意味では最初にお話しした新規性を重視したアイデア先行のサービスでした。さらに、このサービス立ち上げでは、2つ目の失敗であるシステム開発の外注と、3つ目の売上規模が小さい中で新規事業投資をしてしまったという失敗もしてしまいました。

2つ目の失敗に関しては、新規事業はサービスが立ち上がるためには継続的でスピーディーな軌道修正が大切で、初期開発よりも運用の方が大切になります。しかし、当時弊社は社内に人材が足りないということで開発を外注してしまいました。そのため、開発後に社内で軌道修正をできる人がいませんでした。

PDCAを回すサイクルのスピード感ややりたいことのニュアンスを伝えることが難しく、尚且つプラットフォームビジネスだったので運用コストが高かったというのが2つ目の失敗です。

最後の売上規模が小さい中で新規事業に投資してしまったというのは具体的にはどのような失敗だったのでしょうか。

前述したように売上規模やリソースが少ない状態で、運用コストが高い事業を行っていた関係で黒字倒産しかけてしまいました。

当時、売上を上げるのも、事業の企画・開発ディレクションも、エンジニアとのやり取りも、デザイナーとのやり取りも事業計画も経理も、なんならオフィスのトイレットペーパーを買ってくるのまでも全部自分1人でやっていました。その結果、経理なども大雑把になってしまって月次決算もきちんと締めておらず、PL上では黒字だったのですが、入金と支払いのタイミングがずれたことでキャッシュアウトして、倒産しかけました。

正直、私一人で行っていたエージェント業の部分に人を増やせば、収入を増やすことはできたはずでした。しかし、ミッション・ビジョンに対しての思いが強すぎたために、エージェントで拡大することは悪だって思っていました。紹介事業で人や売上を増やすと大手のエージェントと同じようになってしまって、求職者の方に向けなくなってしまうという懸念があったためです。しかし少しこだわりが強すぎたというか、美学というか。偏りすぎてすぐには売上があがらない新規事業に投資を続けていた結果、失敗してしまいました。

今はエージェント業も拡大して、十数名いますし、売上の規模も拡大して新規事業に余裕を持って投資できる原資も増えたので良かったなと思っています。売上・組織拡大しても当時の僕と同じか、それ以上のサービス価値を求職者に提供できているので、当時の自分の視野の狭い思い込みだったなと反省しています。

最後に今壁に直面しているような経営者の方々にメッセージなどはありますか?

「目新しいものがユーザー価値が高いわけではない」ということです。自分たちの強みを生かして勝負しなければ生き残ることは難しいかなと考えています。たしかに何億という資金調達をして一定時間稼ぎさえできれば、後付けで強みを磨きこんでいくことはできると思います。しかし、誰もが成功するわけではないので一定博打要素もあると思います。

なので、私としては目新しいものをやらなくてもお客様にきちんと価値のあるもので利益を出すことから逃げなくて良いと思っています。そのなかで自分たちの思想や強み、コアが何かということを追求していけば良いし、それによって顧客基盤や資金力、強いチームを作ればそのあとから余裕を持って目新しいサービスを投資していけば十分だと思っています。

弊社は「ヒトとITのチカラを活用して、働く全ての人を幸せにする」をミッションとして掲げて、今後働く個人を幸せにするための事業を30個、50個、100個と増やしていきたいと考えています。その事業間の繋がりを高めることでLTV最大化・CPA最小化を同時に追求する事で収益率を上げていきながら、このミッションを自己満じゃなく、客観的にも体現している状態を作っていきたいと思っていています。

そのためにどんどん事業の責任者や新規事業を開発するリーダーが必要になってくるので、やりたい人がいれば一緒に事業や会社を作っていきたいと考えています。下記の採用ページよりご応募ください!

 

-本日インタビューしたアクシス株式会社様の情報-

会社HP:https://axxis.co.jp/

採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/axxis

サービスページ:

・すべらない転職

https://axxis.co.jp/magazine

・有料キャリアコーチングサービス「マジキャリ」

https://majicari.com/

・すべらないキャリア

https://subecari.com/

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