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誰もがアートに触れられる世界へ 。- WALLSHARE株式会社 代表取締役 川添 孝信

今回は、ミューラルアートを活用した企業プロモーションや、行政と共同でまちおこしを手掛けているWALLSHARE株式会社の川添孝信様にインタビューを行いました。

 

WALLSHARE株式会社は2020年に設立したばかりのスタートアップで、空き壁を提供する壁主、ミューラルアートを描くアーティストさん、プロモーションを求めている企業の3者を繋ぎ、まちを彩りながら新しい価値を作っています。

川添孝信 ーWALLSHARE株式会社 代表取締役/創業者ー

経歴:フォルクスワーゲンの新車営業、クラウドワークスに従事。その後ワンエイティー株式会社を共同創業。2020年4月に更なる事業展開のためWALL SHAREを設立。

 

・壁主、アーティスト、企業を繋ぐビジネスモデルはWALLSHARE様だけというお話だったのですが、このアイデアってどこから生まれたのでしょうか?

​きっかけは、10代からストリートカルチャーが好きだったという背景があって。最初は趣味としてだったのですが、周りに共有できる友人も少ないという悩みもありました。ストリートの文化はネガティブなイメージが先行してしまうこともありましたし。

 

それが周りが社会人になって、海外に行きだしたら海外のストリートアートの写真をSNSに上げたり、楽しんでたりしていて。それを見て自分が日本でストリートアートを広められる存在になれば、もっとカルチャーが浸透して楽しんでくれる人も増えるのではないかなと思ったのがきっかけでした。

 

でも日本のアート市場って海外に比べると極端に小さくて、文化支援などだけに頼りながらやるには難しいというのが現状でした。そこで、企業のプロモーション・広告費を活用することでビジネスができるのではないのかなと思いつきました。ビジネスが広がればアーティストにとっても活躍する場が増えて、日本にアートが広がっていくという風に考えました。壁主さんも駐車場を貸すような感覚で壁を貸して、賃料が入ってくるので少し素敵な世界ができると思っています。

 

このビジネスモデル自体は誰もが思いつくような簡単なものですが、それをアクションに落とし込めたのが良かったなと思っています。

 

・なぜアクションに落とし込めたのか、なぜ2020年のタイミングだったのか理由はありますか?

趣味として好きなカルチャーということもあって、たくさんのアーティスト名を知っていました。なので自分にとってアクションを起こすハードルが低かったのが一つの要因だと思っています。

 

後は、運よく2件のご縁をいただき、実績を作れる見込みが持てたことが良かったです。南海電鉄さんと、神戸市役所さんとのプロジェクトだったのですが、素敵なご縁でした。

 

(Mural by TITI FREAK /神戸ミューラルアートプロジェクト)

 

・起業にあたって実際にどのような準備をされたんですか?

最初は2人でスタートして、ビジコンに応募して周りの反応を伺ったというのが一番最初でした。前職まではアートに関係ないことをしていたのですが、逆にそれがメリットだと思っていて。「好き」という立場だと、フラットにカルチャーを見ることができたり、アーティストさんにも偏りを持たずに接することができたり。これは業界人ではないからこそなのではないかなと思いました。

 

・ビジコン後の次のステップは?

起業の前に、半年間ほどサービス自体は走らせてみました。でも、やっぱり上手くいかないことだらけで。メンバーと話して別々にってことにはなったのですが、僕はどうしても続けたいという想いがあったので独立した形になりますね。

 

・ちなみに、具体的にどういうところが上手くいかなかったんですか?

経営者としての想いを共有するのが難しかったことです。僕はカルチャーを重んじていて、案件をいただく企業さんと話す際もこの点に気を付けてお話ししています。やっぱり僕自身がアートが好きなのでアーティストさんの考えやスタイル、スタンスなどは崩したくないのが大前提です。なので、中々案件化までいかない…なんてことも多々ありました。

 

・その課題はどのように乗り越えたのですか?

まず、僕も結構迷っていました。ビジネスサイドに寄せるかカルチャーとしてやっていくか。でも根本的に「アーティストさん達が一番気持ちよく描ける方法は何だっけ」というところに立ち戻って、そこをぶらさずに、考え方・伝え方・見せ方を変えていったという形です。結果、アートに挑戦する企業や行政にとってもより良い作品になると考えます。

 

ストリートの流行りに乗っただけでは、ダメだと思っていて、きちんとカルチャーをお伝えすることによって意味のあるアートの提供をしようとしています。結果、徐々にご一緒してくださる企業さんが増えてきたという感じですね。

 

(art by PHIL&FATE / CHILL ART)

 

・会社を立ち上げてから半年くらいの間はどのようなアクションを起こしていましたか?

実は、立ち上げ当初はまちづくりの案件をいくつかお手伝いさせていただいたのですが、その後4~5ヶ月は売上がほぼない状態で、不安でしたね。

 

そこで、地道なセールスももちろんですし、オープンイノベーションのプラットフォームを活用して興味を持ってくださる企業さんと出会うためにアクションを起こしたり、アーティストさんと協力して実績作りをしたりしていました。

 

・売上がでなかったのも、やはりアート市場が小さいや日本の風習などが要因の一つなのでしょうか。

まさに。僕らのサービスも、「プロモーションを掛け合わせるとアートじゃないだろ」という声も結構あるかなと…。しかしそもそも日本はまち中のアートが少ないので、ほとんどアートに触れたことない人に向けて、まちそのもにアートがあって…という世界が目指したいビジョンですね。

 

特に僕らが一番届けたいのは子供なのですが、小さい頃から自分のまちにアートがあって、そのまま大人になって行った時の感覚は、アートに興味がない人を減らせるアクションになるのではないかなと思っています。

 

・売上が出なかった時期を乗り越えた後は何をされていたんですか?

2020年の年末頃から、紹介がきっかけで大きめな案件いただくようになったのですが、ただ、それがすぐに潤沢な売上に繋がっているという感じではないので、今も必死ではありますね笑。

 

この10月くらいから、プロジェクトが始まるのですが、うまくいけば半年くらい結構インパクトがあるプロジェクトが立て続けに続いていくので、もし目にして頂けると嬉しいなという感じです。

 

・今後のビジョンはどうお考えですか?

現在は本社がある大阪が中心なので、今後は東京を含め全国展開を目指したいです。ミューラルアートといえばWALLSHAREっていうブランディングも作って行きたいですね。色んな企業や個人の方々とコラボしながらミューラルアートの文化を一生を懸けて増やし続けていきたいです。

 

壁に絵を描いているシーンをみたことがない日本人がほとんどなだと思うのですが…。描いていると、若者はSNSでシェアしてくれたり、ご高齢の方も喜んで見てくださるケースが非常に多かったりします。他府県のおば様が、「カメラが趣味だから描くときは連絡してね」って名刺をくれたなんてこともありました。描いているときに毎日差し入れを持ってきてくださるご夫婦もいらっしゃいましたね。その温度感が僕も非常に大好きなので信じてやり続けたいなと思っています。

 

(Mural by KAC ONE /神戸ミューラルアートプロジェクト)

 

・実際に今まで事業を立ち上げてきて大切だと感じたことはありますか?

会社としてやるべきことを明確にして、それを叶えるための「ぶれない軸」を置くことだと思います。僕らのサービスの場合は、アーティストファーストやカルチャーファーストに置くことが、非常に重要です。他のサービスではユーザーの声を重要視するというのはあると思いますが、僕らの場合はカルチャーファーストになっているかというのが意思決定の判断軸になっていきます。結果、アートに挑戦する企業や行政にとっても良い作品ができると考えています。

 

現状、日本はアートが身近ではないという課題があります。それを解決するために、美術館など素晴らしいものがあると思うのですが、アートを好きになる機会として、僕らは「まち」そのものにアートを描いていこうとしています。

 

良し悪しも強制的にアートに触れてもらい、アートを好きになるきっかけを部分を作るのがWALL SHAREがやるべきことで大切なことかなと思っています。加えて子供たちの世代にとってどうなのかというのも大切にしています。僕も3歳の息子がいるのですが、アートを描く現場へ連れて行くことで、アートが人生にとって身近な存在になることを願っています。

 

(Mural by BAKIBAKI /淀川ウォールアートプロジェクト)

 

-本日インタビューしたWALLSHARE株式会社様の情報-

 

会社HP

https://www.wallshare-inc.com/

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