今回はノーコードでWebブラウザを自動操作できる「クラウドBOT」を提供する。
株式会社C-RISE 代表取締役 村井 将則様にインタビューをさせて頂きました。
画像:株式会社C-RISE 代表取締役 村井 将則様
◎クラウドBOTはどのようなツールですか?
クラウドBOTとは2020年に公開した、ノーコードでWebブラウザを自動操作するBOT(ロボット)を作成できる国産のRPAサービスです。
単純なデータ入力業務からアプリの連携など、幅広い用途で利用されています。
◎誰の何を解決することを目的として立ち上げたのですか?
名前は伏せさせていただきますが、廃車となる車を引き取り、解体して海外に販売する事業を展開されている企業様のシステム開発を請け負ったことがきっかけになります。
その企業様では、自社で管理しているシステムにどれだけ車を引き取り・どれだけ解体し・どれだけ販売したかというデータを入力しています。
それと同時に国が管理している自動車リサイクルシステムにも同じ情報を報告する必要がありました。
そのため、自社管理のためのデータと報告用のデータの二重入力が毎回必要であり、非常に無駄な作業が発生していました。
そこで、PC上の操作を自動化できるRPAを使用して効率化されていました。
自動化は、弊社が担当する前から取り組まれていたことになりますが、PCにRPAソフトをインストールする必要があり、PCの数だけRPAのインストールが必要でした。
自社システムと自動車リサイクルシステムはどちらもWebシステムでしたので、通常の業務では何もインストールする必要がなかったのですが、自動化するためにわざわざソフトをインストールし、ライセンスを購入し、導入説明といった作業が発生し非常に非効率な状態になっていました。
そこで弊社が提案させて頂いたのは、サーバー上で行うRPAです。
サーバー上で自社システムからデータを取得し、自動車リサイクルシステムに自動入力を行う。
そうすることによって各パソコンにはソフトをインストールする必要がなく、今まで通りブラウザで自社システムにアクセスして、データを入力するとクラウド上で勝手に自動車リサイクルシステムへデータを転記してくれる仕組みが出来ました。
このような仕組みを作ったのですが、この時のロボットの作成は毎回受託開発でした。
非常に好評で毎月のようにオーダーを頂いていたのですが、毎回お客様にヒアリングして、その内容通りに動作をするロボットを作成して納めるといった非常に非効率なやり方をしていました。
1つのロボットを作成するのにおよそ10日〜1ヵ月間かかっていたと思います。
そこで、お客様自身がロボットを作ることができるサービスがあれば、非常に楽になるのではないかと考え、クラウド上にロボットを作成し、クラウド上のブラウザを自動操作できるサービスの着想を得ました。
クラウドBOTは、ロボットを作成するソフトをPC内にインストールする必要がなく、Webブラウザがあればロボットを作れます。ロボットが自動操作をしている間もPC画面を占有する事はありません。
全てクラウド上で操作できますので、Webブラウザがあればデバイスを問わず
Windows・Mac・スマートフォンといったどのような環境でもロボットを作る事ができます。
また、クラウド上にロボットがありますので、複数のユーザーで共有して管理することもできるようになりました。
◎ロボットをPCにインストールしないことのデメリットはあるのですか?
インターネット上からアクセスできる範囲でしか操作できないことが挙げられます。
社内に設置してあるWebシステムやWebのデバイスは通常アクセスができないです。
これを解決するための手段として「エージェント」というアプリを提供しています。
このエージェントアプリを社内のPCかサーバーにインストールすることで、エージェントを中経路として社内システムにアクセスできます。
しかし、この場合でもPC内にロボットがあるわけでないので、インターネットのアクセスが遮断されますと操作が出来なくなってしまいます。
あくまでもクラウド上のロボットがブラウザを自動操作する仕組みになっています。
◎どのような方におすすめのサービスなのですか?
Webブラウザを利用して業務をされている全てのお客様と考えています。
特に親和性が高いサービスとしてはECサイトを運営している方や不動産関係の情報をWeb上に公開している方ですね。
Web上で自社製品・自社サービスを公開している企業様には非常に有益なツールだと思います。
RPA導入を業者に委託する場合、高いコストがかかってしまいますが、クラウドBOTを活用することで非常に安価に導入できますので、中小企業様などにもおすすめできます。
◎お客様からどのような要望が多いですか?
社内のデータを自動でWeb上に一括更新したり、Web上から情報を集めてきたいという要望が多いですね。
大企業様ですとシステムの一部として使うというより、開発しているシステムの自動テスト用として利用されることが多いですね。
どちらかというと大手さんの場合は、バックグラウンドやサイトの監視・動作確認といったツールの様な感覚で使われていますね。
◎料金について詳しく教えてください
料金は無料プラン・シングルオフィス・マルチオフィス・システムリンケージの4つがあります。
*画像内の3つのプランと別に無料プランがあります(利用期限に制限はなし)
基本的に初めて利用する方には無料プランの利用をおすすめしています。
無料プランでもほとんどすべての機能を利用することができ、簡単な作業であれば自動化することができます。
有料プランとの違いとしては、ロボットを同時に動かせる数に制限があります。
シングルオフィスだと同時に3台まで動かせますね。
また、無料プランはロボットの稼働時間が30分までという制限があります。
シングルオフィスプランでは月に6時間と大きく時間が増えます。
また、無料プランはスケジュールを設定して実行することに対応はしていないですね。
スケジュール実行を行う場合は、有料プランの契約が必要になります。
◎稼働時間30分というのはどのようなことができるのですか?
作業内容にもよりますが、自動化する場合、手動でやるより少なくとも5倍以上は早くなりますので、いつも1回で30分かかる作業を自動化するのであれば無料でできる範囲かなと思います。
週に1回行う作業を自動化する場合、1ヵ月に4回実行されますので、そのような作業であれば7分ほどでできます。
また、使い始めたばかりの方はロボットの動きがどうなるのかなど、学びながら進めていくと思います。
その場合は30分に到達してしまっても、無料で10分延長を追加するなどの対応を取っています。
◎他社製品と比較したときの強みを教えてください
他社製品と比較したときの強みは料金が安価なことですね。
他の製品ですとロボットを実行する環境を立ち上げる必要があり、製品によっては月額10万円〜15万円ほどかかることもあるようです。
クラウドBOTはサーバーレス機能というものを利用することで、ロボットを使う瞬間だけ秒単位でサーバーの資源を借りてきて実行します。実行が終わると直ぐに開放しますので、その間しかサーバーコストが発生しません。ですので非常に安価に利用できます。
そもそも無料で使えるクラウド型のRPAが他にはないですね。
また、PCだけでなくスマートフォンやタブレットでもロボットを作成・実行できる点も強みです。
◎連携ツールとしてmakeやZapierが有名ですがどのような違いがあるのですか?
結論、連携方法が違います。
makeやZapierはサービスが公開しているAPIを呼び出して連携する連携方法です。
なのでAPIを提供していないサービスは連携できないですね。
そこで、上記のサービスとクラウドBOTを合わせて使うことで本来は連携対象でないサービスも連携することができます。
自社のサイト、社内の業務システムも連携対象になり、それらも自動化することができます。
◎Web上にあるサービスはなんでも自動化できるのですか?
サービスによってはロボットによる自動操作を禁止している場合があるので、サービスの規約に従うことになります。
それらの問題がなければ自動化が可能になりますね。
◎連携ツールといってもかなり違いがあるのですね
そうですね。makeやZapierは競合というより上手く組み合わせて使って頂くイメージになります。
また、makeやZapierは日本語に対応していないので、iPaas的な機能もクラウドBOT内に実装することも考えています。
◎クラウドBOTの目指す理想像・目標を教えてください
クラウドBOTは表向きではRPAサービスとうたっていますが、クラウド上で自動化を実現する仕組みだと考えています。
目標としてるのはWebの自動化です。
ブラウザの自動化を行っていますが、それだけではなくてAPIを用いて操作しなくても自動化できるようにもしたいです。
また、半自動化も行っていきたいと考えています。
人の判断が必要な箇所だけ人に操作をゆだねて、それ以外は自動で流れていくイメージですね。
<クラウドBOTの情報>
クラウドBOT HP:https://www.c-bot.pro/
株式会社C-RISE HP:https://www.c-rise.co.jp/ja