【最新版】生産性向上という課題を解決するための方法6選!見直すべきポイントを徹底解説

企業が成長するためには生産性向上が必要不可欠です。近年、少子高齢化や国際競争の激化により、生産性向上が日本全体の企業が抱える重要課題となっています。この記事では、生産性向上のために役立つ6つの方法を詳しく解説します。

自社の生産性はどのくらいで、どうすれば向上させることができるのかと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。現在の日本企業において、生産性向上は非常に重要なワードです。なぜなら、生産性が向上することは、業績UPや競争力の強化にもつながるからです。

労働力の減少が加速し、働き方改革が推進される中で、企業はいかに効率よく業績を上げることができるかを求められています。

この記事では、生産性を向上させたいが具体的にどうすれば良いか迷っている人のために、成果を上げるための具体的な方法を成功事例も交えて詳しく解説します。

最後まで読んで頂き、業務改善のヒントになれば幸いです。

 

生産性とは?生み出した付加価値のこと

生産性とは「投資した額に対して、どのくらいの成果が出たのかを表す指標」のことを言います。つまり、取り組んだ業務に対して、どれだけの価値を生み出すことができたかということです。

生産性と一言で言っても、それぞれ違う視点から見た3つの種類が存在します。業務の効率化とも異なるので、それぞれがどういった意味合いで使われているかには注意が必要です。

一般的に、生産性の値が高いほど、企業の利益が上がり、労働環境が良くなるなど様々なメリットがあります。製造業では生産性の向上は進んでいるものの、サービス業では遅れているのが現実です。

 

生産性の3つの種類

生産性には以下の3つがあります。

  • 労働生産性:労働視点
  • 資本生産性:資本視点
  • 全要素生産性(TFP):使ったすべての要素から算出

順に説明していきます。

 

労働生産性とは

一般的に職場の生産性と言えば、ほとんどが労働生産性を指します。労働生産性は、労働者1人当たりがどれだけの成果を生み出したかを表すからです。この記事では、「生産性=労働生産性」とします。

また、国際社会における労働生産性を算出する際には、国内総生産(GDP)が使われます。

労働生産性には2種類が存在し、「付加価値労働生産性」と「物的労働生産性」です。前者は成果自体に価値を置き、後者は量や金額に価値を置いています。

企業において人材不足が問題となっている場合、付加価値労働生産性の数値を改善することが必要です。

 

資本生産性とは

資本生産性は、機械や貨物トラックなどの設備が、1単位でどのくらい成果を上げたかを示します。資本生産性は設備の稼働率向上や効率改善によって向上すると考えられています。

 

全要素生産性(TFP)とは

全要素生産性(TFP)は、従業員のスキル向上や経営効率の改善、設備の整備など、投入した全ての生産要素を含めた生産性を表すものです。特徴は技術革新があった際に、高い伸びを示す事です。

 

生産性向上と業務効率化は異なる

しばしば、業務効率化と生産性向上が同じ意味で使われることがありますが、実際には異なります。業務効率化というのは、あくまで作業であるためです。生産性向上という目的を達成するための方法として、業務効率化があると考えましょう。

業務効率化の例としては、メール文章の定型化や会議の削減、ITツールの導入など、個人で取り組めることから、会社単位まで方法は多彩です。適切な方法を用いることで、コストの削減や時間の短縮が実現できます。結果として、生産性向上につながる重要な要素となるのです。

 

生産性を測定する方法

生産性は種類が変わると、その算出方法も変わってきます。違う方法を用いると当然数値も変わりますので、会議などで食い違いが起こりかねません。よく使われる指標は、付加価値労働生産性と物的労働生産性、TFPの3つです。

付加価値労働生産性は最も基本的なもので、生み出された価値によって生産性を測ります。「付加価値額÷労働量」で求められます。

次に、物的労働生産性です。生産数や生産量など物理的な成果で生産性を求める方法です。売り上げ金額で求めることもありますが、売値が変わることもあるため、数や量が数値として使われます。「生産量÷労働量」の計算式を用います。

最後にTFPですが、付加価値労働生産性に資本データを合わせて算出した指標です。算出方法が難しくなるのですが、投下した多くの費用を含めた数値が出るため、好まれる場合もあります。

 

生産性向上が重要視される2つの理由

現在、日本では少子高齢化が進んでいます。総人口は2008年をピークに減少へ転じ、労働人口も1995年から減少し続けていることが、日本が将来に向けて抱えている問題の一つです。各産業において、国際競争がますます激しくなっています。日本の生産性はOECDの中でも下位であり、G7では最下位です。

今後、日本の世界に対する競争力を強化し、より経済を発展させるためには、国を挙げて生産性向上に取り組むことが必要とされています。

 

労働人口の減少による人手不足

今後、企業の人材確保はより難しくなっていくでしょう。前項で述べたように、労働人口が減り続けているからです。人材不足が改善される兆しが無いのであれば、現状でどのように利益を上げるかを考えていかないといけません。

そこで注目されているのが生産性です。いかに1人1人が、より大きな成果を上げ、生産性向上を実現できるかが、今後の日本経済を成長させるためのキーポイントだと言われています。

 

国際社会拡大による競争の激化

近年、AIやIoTなどの急速な発展によって、国際競争の激化は右肩上がりです。一方、日本の生産性は2000年代以降伸び悩んでいます。グローバル化が進む環境に対応するためには、競争力の強化が必要です。

国が経済的に成長するには、生産性向上が重要なポイントになります。経済成長は「付加価値の生産が増大すること」と言われているためです。そこで、政府が生産性向上のために打ち出したのが、働き方改革です。労働環境を整え、労働者の増加や出生率の上昇により、人手不足の解消と少子化の解消を目指しています。

 

生産性を向上させる6つの方法

ここまでは、生産性とは何かというお話でした。では、実際に生産性を向上させるにはどうすれば良いのか。取り組むべき6つの方法を紹介します。

  • 個人業務を可視化する
  • 業務をデジタル化する
  • 自由度の高いワークスタイルに移行する
  • ノンコア業務は外注する
  • 従業員のエンゲージメント・モチベーション管理をする
  • 国の補助金制度を利用する

 

個人業務を可視化する

手始めに、個人が行う業務に関して見直してみましょう。「マニュアルが最新の状態なのか」「業務の優先順位はあっているのか」などです。

簡単な作業ほど、自分の感覚でやってしまいがちですが、社員がみな感覚で作業した場合、当然品質が一定にはなりません。常に最新のマニュアルがあることで、細かい部分が抜け落ちることがなくなるため、品質のブレを防ぐことができます。

業務の優先順位をはっきりさせておけば、1日、または1週間単位でスケジュールを組むこともできるでしょう。業務の進捗を把握することも容易になりますし、無駄を見つけるきっかけにもなります。

業務の可視化は、仕事に集中するための環境作りにも役立ちます。なぜなら、必要なものを取捨選択し、身の回りを整理できるようになるからです。

 

業務をデジタル化する

急速に進化を続けるIT技術を業務に取り入れることで、生産性を向上させることができます。例えば、以下のような事例が挙げられます。

  • 電子サインを使用することで印鑑を廃止
  • Web会議の活用
  • データをクラウドで管理
  • RPAの導入
  • オンライン商談システムの活用

この中でも特に有効とされているのがRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。

RPAは、定型化されたパソコン業務をロボットに覚えさせることで、自動化する技術です。一度記憶させれば、圧倒的に時間を短縮することが可能なので、その分を他の業務に割くことができます。

結果的に、人件費の削減と成果量の増加を両立させることができるのです。

因みに、高性能のRPAであれば、より細かい状況にも対応が可能になるため、幅広い業務をこなしてくれます。ただし、1つの部署だけがデジタル化すると、社内が混乱してしまう可能性があります。

会社全体で意見を統一し、進めるのが良いでしょう。

 

自由度の高いワークスタイルに移行する

従業員の業務に対する自由度を高めることで、生産性の向上を目指します。具体的には、フレックスタイム制の導入です。フレックスタイム制とは、始業・終業時間を従業員が自分で決めて働くことを指します。

労働時間を自分の都合に合わせて決めることで、効率的に業務をこなせるようになるため、無駄な残業の減少につながります。通勤ラッシュを始めとする多くのストレスからの解放も見込めるため、従業員のパフォーマンス向上が期待できるでしょう。

もう一歩踏み込んだ施策として、週休3日制があります。週の労働時間が1日分減ることにより、これまで同じ業務をするにも個人がより高いパフォーマンスを発揮する必要があります。シビアな時間管理能力が育成でき、休日の多さによる従業員の満足度の上昇がメリットです。

ただし、取引企業とのコミュニケーションが取りにくくなる可能性があるので、導入時には慎重に考えないといけません。

インターネット環境が整備された日本において、パソコンやタブレットがあれば、時間や場所を選ばずに仕事ができます。環境を最大限に活用すれば、生産性を向上が期待できるということです。

 

ノンコア業務は外注する

業務は、成果に直結するコア業務と、コア業務を支えるノンコア業務に分かれます。ノンコア業務は周辺業務とも呼ばれ、定型文を用いたメール送信や、データ抽出などがその例です。つまり、直接成果を生むことが無い業務だと言えます。

生産性向上には、いかに少ない投資で大きな利益を得るかという点が大事なので、ノンコア業務にリソースを割くことは適切ではありません。ノンコア業務の処理には、基本的に契約金のみで利用できる、アウトソーシングサービスを活用することが有効です

引継ぎや教育の必要が無く、業務の質は一定なので、社員は成果の上がるコア業務に注力できるようになります。直接利益につながることはありませんが、大量に発生するノンコア業務を積極的に外注することで、大幅な生産性向上が期待できるでしょう。

 

従業員のモチベーション管理をする

従業員同士の信頼関係や個々のやる気が、生産性にも影響を与えます。なぜなら、組織やチームはヒトの力によって動いているからです。組織での仕事は個人で完結するものではありません。必ず他の誰かに関わっているものなのです。

信頼関係を築いておけば、業務はスムーズに進み、組織内のモチベーションも上がります。モチベーションが上がると、仕事への集中力が増しミスも少なくなります。

どれだけデキる人材でも1人でこなせる範囲には限界があるのは当然です。周りと協力し、お互いに補い合うことで、より大きく生産性を向上させることに繋がります。

モチベーションがどうすれば上がるかは個人によって違いますが、労働環境の悪さや不明瞭な評価制度など、明らかな要因がないよう注意が必要です。

 

国の補助金制度を利用する

今後、人材確保が困難になる中で、生産性向上は企業が生き残るための重要なポイントです。そのため、生産性向上に取り組む企業には、国からの補助が受けられる仕組みがあります。原資が限られている中小企業にとって大きなメリットになるため、積極的に利用すると良いでしょう。

補助金・助成金には以下のようなものがあります。

  • IT導入補助金
  • 人材確保等支援助成金
  • 両立支援助成金
  • 人材開発支援助成金
  • 働き方改革推進支援助成金

IT導入補助金のみ経済産業省の管轄で、他は厚生労働省が担当しています。取り組む内容によって、適応される補助金も違うので、申し込む際には気を付けてください。

 

個人で行える生産性向上の方法

個人で行える生産性向上の方法は、以下の4つがあります。

  • 業務プロセスの改善
  • タスクの管理
  • モチベーションの維持または向上
  • 必要なスキルの習得

1つ目として、業務プロセスの改善が挙げられます。本当に必要なものだけをピックアップすることで、作業時間を短縮することができるでしょう。

2つ目は、タスクの管理です。仕事をスムーズに進めるには、まずタスクをキチンと整理しておくのが重要です。各タスクの時間を把握しておけば、効率的な仕事の流れを構築することができます。

3つ目は、モチベーションの維持または向上に関してです。生産性の向上を実現するには、モチベーションを高く保つ工夫も必要です。

例を挙げると、「終業後に自分の時間を作っておくこと」などがあります。また、仕事に集中できる環境を作ることも有効です。

4つ目は、必要なスキルの習得です。小さなことでも、効率化に役立つことは多くあります。自分の知らなかったパソコンの使い方を1つ覚えることだけでも、生産性向上に繋がります。

 

生産性向上の3つの成功事例

生産性を効果的に向上させるには、自社の課題にあった方法を取る必要があります。成果を上げた事例をもとにフィードバックすることで、より効果が上がることが期待できます。

ここでは、以下の3つの成功事例を紹介するので、参考にしてください。

  • 積極的なWeb面接を導入
  • 「どこでも」オフィスで労働時間の確保
  • ノンコア業務の外注で業務を効率化

 

積極的なWeb面接の導入

地方の中小企業には、人事だけを担う部署が存在しない企業が多いという特徴があります。人事コンサルティング企業の株式会社あしたのチームは、Web面接を活用することにより、地方企業が問題としていた、人材採用のニーズを取り込むことに成功したのです。

Web面接を取り入れたことで、繁忙期には1人当たり30分の面接を1日(8時間)で12人もこなせるようになったと言います。対面であれば不可能な数字であり、大幅に生産性が向上したと言えるでしょう。因みに、現在この企業は47都道府県に拠点を持つまでに成長しています。

 

「どこでも」オフィスで労働時間の確保

大手食品会社の味の素は、2017年からサテライトオフィスを「どこでもオフィス」として、設置を増やしてきました。同時に利用制限を大幅に緩和し、業務時間の分割も可能としたのです。

従業員の自宅近くに設置することで、移動や準備に取られていた時間が労働時間に変わっています。フレックス制の導入と合わせて活用され、従業員がプライベートとのバランスとりながら柔軟に働いている実例です。

 

ノンコア業務の外注で業務を効率化

ライドシェアサービスを扱う株式会社nottecoは、日々の膨大な雑務をこなすことに追われていました。過去に外注をしていましたが、毎回詳細な指示が必要となり、かえって負担を増やしていたのです。

そこで、企業側の意図を積極的に理解し、提案してくれる業者に変更しました。すると、それまでかかっていたコストが順調に減り続け、最終的には3分の1になったそうです。作業を外注する際には、相手がどのくらい企業側のことを分かってくれるかが重要なポイントになります。

 

まとめ:生産性向上には意思決定が必要

上記では企業、個人が生産性を向上させる方法を紹介しました。生産性向上といっても、実現する方法はそれぞれの企業によって違います。まずは課題を見つけることから始まり、どういった方法を取ればいいのかをキチンと把握することが重要です。

現在、働き方改革という流れができています。各従業員が生産性に対する意識と理解を深める良い機会です。これを機に、古いインフラや慣習を見直しましょう。

この記事で紹介したポイントを抑えることで、生産性を向上させることができるでしょう。是非参考にしてみてください。