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生産性向上を目指す上で重要な5つの指標とは?「5s」も徹底解説!

ビジネスに関する要素が数値化できるようになってきてから、生産性の向上という言葉をよく耳にするようになりました。事実、生産性の向上は企業の業績を上げるための重要な要素ですが、概念として理解していない人も多いです。

当記事では生産性の向上について、定義や重要な指標、実際の成功事例などを解説していきます。

この記事を読むことで、生産性の向上についての理解を深めることができ、生産性を大きく向上させることができます。

 

生産性向上とは?

一般的に生産性とは、企業が投資したリソースによって生み出すことができる成果の程度を指す言葉です。

投資したリソースに対して大きな成果を生み出すことができれば、企業の生産性は高いと判断が可能です。

逆に、想定した成果よりも生み出された成果が小さい場合は、生産性が低いとされます。

生産性の向上とは、一定のリソースによって得られる成果を高めることを指し、「生み出された成果÷投入資源」で数値として算出することが可能です。基本的には投入資源を抑えるか、同じ投入資源で成果を大きくすることで、生産性を向上させることができます。

投入資源は金銭だけでなく、人材や設備なども含まれるため、資源を総合的に見て生産性を算出するためには、資源の単位の統一化が必要です。

 

生産性を向上するメリット

生産性を向上は、単純に費用対効果の向上と言い換えることができます

例えば、50万円でWeb広告を出稿して5,000人のコンバージョンを得ることができた場合と、25万円でWeb広告を出稿して5,000人のコンバージョンを得ることができた場合では、後者の方が費用対効果が高いので、生産性が高いといえます。

また、同じ製品を50人で500個生産する場合と500人で500個生産する場合では、前者の方が人件費が安く済むため費用対効果が高く、生産性が高いです。

以上のように、生産性が向上すれば、同じ成果を上げるために必要な経営資源の流出を抑えることができます。

資源の流出は経営面では損失と捉えることができるので、生産性を向上させれば損失を抑えて売上を上げることが可能です。結果、純利益が大きくなるため、同じリソースで更なる利益を得ることができます。

 

生産性向上と業務効率化の違い

生産性向上と混同されやすいのが業務効率化です。業務効率化は業務を見直しで無駄をなくすことによって、業務効率の改善を目指す施策のことを指します。

業務効率化は生産性向上に含まれますが、あくまで業務効率のみに焦点を当てています。そのため、経営資源全体を対象にする生産性向上と全く同じ意味で使用することはできません。

生産性向上はリソースあたりの成果を高めることを指すので、仮に使用するリソースが増えたとしても、投入したリソースがレバレッジとして作用して大きな成果を上げることができれば、生産性が向上したと判断できます。

業務効率化は生産性向上に内包されるものの、同様の意味を持っていないことをしっかりと認識しておきましょう。

 

生産性向上を目指す上で重要な5つの指標

生産性を向上させるためには、以下の5つの指標が重要になります。

  • 労働生産性
  • 労働分配率
  • 売上高付加価値率
  • 有形固定資産回転率
  • 労働装備率

生産性を向上させるためには、労働力となる人材や設備、生産物の付加価値の高さへの着目が必要です。詳しく見ていきましょう。

 

1.労働生産性

労働生産性とは、労働の成果を投入した労働力で割ることで算出される数値です。「生み出された成果 ÷ 投入資源」が生産性であることからも分かるように、労働生産性は労働力のみに限定した生産性になります。

基本的は労働力あたりの成果大きくするか、成果を生み出すために必要な労働力を減らすことによって数値を大きくすることが可能です。

労働生産性には大きく分けて、「物的労働生産性」「付加価値労働生産性」の2種類が存在します。

「物的労働生産性」は生産量と販売金額を成果として据えた労働生産性のことを指します。つまり、成果を出すために必要な経費を差し引かないため、計算が簡単なのが特徴です。

対して、「付加価値労働生産性」は生産物に生じた付加価値のみを成果として見なします。算出の際に生産にかかった経費を差し引くため計算が複雑になりますが、生産性を純粋な利益として算出することが可能です。

労働生産性を向上させるためには、業務効率化によって労働時間や従業員数を削減する他、従業員の人件費との費用対効果を見つつ産業ロボットやビジネスツールを導入し、従業員1人当たりの成果を大きくすることが求められます。

 

2.労働分配率

労働分配率とは、企業が生産した成果物がどの程度労働者に還元されているかを測るための指標になります。算出方法は以下の通りです。

  • 労働分配率 = 人件費 ÷ 付加価値

付加価値は付加価値労働生産性と同じく、成果物を生産する際にかかった経費を差し引いたものを指します。労働分配率を見れば成果物を生み出すためにどの程度人件費をかけているかを把握することが可能です。

労働分配率が低い場合は人件費にコストをかけていないということになるため、ロボットやツールなどの導入によって労働力が少なく済んでいるか、単に従業員の給料が低いと判断することができます。

労働分配率が高い場合は成果を生み出すためにかかる人件費が高いということなので、採算性を人的リソースに頼りすぎてオートメーションが進んでいないか、給与水準が適正より高く、経営を圧迫している可能性があると考えることが可能です。

労働分配率は業界によって平均値が大きく異なります。例えば、ツールによるオートメーション化が進んでいる金融業界では労働分配率の平均が低く、業務の大半を人力に頼っている飲食業は労働分配率の平均が高いです。

基本的に従業員を増員するなどの施策を行えば労働分配率が高くなり、オートメーション化のためにロボットやツールを導入すれば労働分配率が低くなるため、施策を行う前後の労働分配率を比較すれば、施策を実施した効果が出ているかを判断できます。

 

3.売上高付加価値率

売上高付加価値率は売上高の中の付加価値額の割合を指し、「付加価値額 ÷ 売上高」で算出できます。付加価値額がそのまま粗利として見ることができるため、売上高付加価値率が高いほど成果物1つあたりの利益が高いと判断することが可能です。

売上高付加価値率を上げるには、売上高をそのままに付加価値額を高くする必要があります。付加価値額は売上高から人件費や設備の減価償却費、原料費などの経費を差し引いた金額なので、経費を削減することで売上高付加価値率を上げることが可能です。

経費を削減する方法としては業務効率化による労働時間の削減や、オートメーション化による人件費の削減、単価の安い代替原料の導入などが挙げられます。

オートメーション化に際して導入したロボットやツールの減価償却費が削減できる人件費よりも高くなってしまうと、かえって売上高付加価値率を下げてしまうことになるので注意しましょう。

 

4.有形固定資産回転率

有形固定資産回転率は企業が持つ有形固定資産がどの程度効率的に活用されているかを数値化したもので、「売上高 ÷ 有形固定資産額」で算出されます。有形固定資産額とは成果物の生産に用いられた設備や建物のことです。

有形固定資産額は、実際に有形固定資産を購入した金額から減価償却のルールによって目減りした価値の合計である累計減価償却費を差し引いたものなので、設備や建物を購入してから年月が経つほど安くなり、結果的に有形固定資産回転率は高くなります。

一般的には、有形固定資産回転率が高いほど建物や設備を無駄なく活用できているということになり、設備や建物当たりの生産性が高いと判断することが可能です。

ただし、生産体制のオートメーション化のために産業ロボットなどの有形資産を一気に購入した場合などは、有形固定資産回転率が著しく低下します

有形固定資産回転率から生産性の高さを判断する際には、建物や設備に投資した背景なども考慮した判断が重要です。

ちなみに、業務を自動化できるツールやAIなどのソフトウェアは無形固定資産に該当するため、有形固定資産額に含めることはできません。注意しましょう。

 

5.労働装備率

労働装備率は従業員一人当たりの有形固定資産額の割合を指し、「有形固定資産額 ÷ 従業員数」で算出できます。

要は、従業員1人あたりにどれだけ設備投資ができているかを占める数値であり、労働装備率が高いほど設備投資が進んでいるという判断が可能です。

労働装備率が高い企業は、産業ロボットや業務自動化ツールによって業務の部分的な自動化を実現していることが多いです。

設備投資にかかった金額よりも将来的に同じ業務を行うために必要になる人件費の方が高い場合、設備投資によって売上高付加価値率が高くなっているといえるので、生産性が向上していると判断できます。

 

生産性向上に指標(KPI)が重要な理由

効率的に生産性向上を図るためにはKPIの設定が重要です。KPIとは「重要業績評価指標」のことで、業績を評価するために用いる指標のことを指します。生産性向上を図る上では先に紹介したような指標が用いられ、利用した指標を総合的に見ることで業績の良し悪しの判断が可能です。

KPIを設定すれば、目的が達成できたかどうかを数値で「見える化」することができます。もしKPIを設定せずに生産性向上のための施策を実施した場合、実際に生産性が上がったかどうかを判断することができず、なんとなく設備投資や業務改革を行ったという事実しか残りません。

実施した施策が目的達成のために意味があるのか、またはどのような施策が有効なのかを判断するためにも、KPIの設定は重要になります。

 

よく聞く、生産性向上の「5s」とは?

生産性向上の5sとは、以下のようなものです。

  • 整理:業務に不要なものを廃し、必要なもののみをそろえること
  • 整頓:ものを探すという非生産的な行為をなくすため、ものの場所を決めること
  • 清潔:不要な事故を減らすために衛生管理をすること
  • 清掃:定期的な清掃でモチベーションを保つこと
  • しつけ:上記の4点を習慣化すること

5sを実施することで、個人レベルでの行動の無駄を排除することができる他、組織全体のモチベーションや職場に対する管理能力が高くなり、結果的に生産性向上が望めます。

 

個人で行う生産性向上の取り組み

個人で行える生産性向上の取り組みには以下のようなものがあります。

  • タスクに優先度を付ける
  • 整理・整頓の徹底
  • 体調管理の徹底
  • コミュニケーションの活性化
  • スキマ時間の有効活用

上記の中でも特に重要なのが、タスクの優先度づけです。タスクにはすべて個人の裁量でまかなえるものと、他人の業務が介入するものがあります。他人の業務が介入する業務については、他人が作業を行っている間、自分にはスキマ時間が生まれます。

他人が介入する業務を優先して行い、生じたスキマ時間に個人の裁量のみで行える業務を行えば、時間の有効活用が可能です。

また、コミュニケーションが活性化すれば、チーム内で忙しい人の作業をカバーすることができるため、チーム全体の生産性を向上させることができます。

以上のように、他人との兼ね合いを見つつ時間を上手く活用することで、生産性向上を目指すことが可能です。

 

生産性向上の成功事例

生産性向上について分かったところで、実際に企業で行われた生産性向上の成功事例を紹介します。紹介する企業は以下の通りです。

  1. 有限会社早川運輸
  2. 京の宿綿善旅館
  3. 株式会社さえき

上記はそれぞれシステムの導入、業務フローの改善、業務効率化によって生産性の向上に成功した事例になります。詳しく見ていきましょう。

 

1.有言会社早川運輸

「有限会社早川運輸」はソフトウェアによるトラック受付・予約システムの導入と輸送用パレットの運用改善により、生産性向上を実現した企業です。

有限会社早川運輸は、株式会社はくばくの中央工場から日本生活協同組合連合会の桶川流通センターへの週4回実施している穀物商品の運送業務をしていました。

ただ、桶川流通センター側での荷待ち時間と荷下ろし時間が長く、運転手の労働時間が長期化しているという課題を抱えていました

上記の問題を解消するため、まずは桶川流通センターで試験的に運用されていたトラック受付・予約システムを導入し、事前に到着時間を伝えることで荷待ち時間の大幅な削減に成功しました。

加えて、商品を運ぶ際に利用しているパレットを毎回持ち帰っていたところを、桶川流通センターで一時的に保存しておく業務フローに変更したことにより、荷下ろし時間の削減にも成功しています。

その結果、運転手の無駄な労働時間が削減され、生産性は44%向上しました。さらに、パレットを持ち帰る際に商品をバラす必要がなくなったため、破損等の事故もなくなるという恩恵も享受しています。

企業間の壁を取り払い、合理的な業務フローを導入したことで、生産性が向上した好例といえるでしょう。

 

2.京の宿綿善旅館

「京の宿綿善旅館」では、連絡ツールの導入と業務フローの改善によって業務の効率化に成功した企業です。元々フロント係と客室係の業務連絡を電話で行っていたのですが、フロント係が接客中の場合は電話を取ることができないため、わざわざ客室係がフロントまで往復して業務連絡を行うという非効率な手段をとっていました

また、従業員ごとに対応可能な作業にバラつきがあったため、繁忙時間に特定の社員に業務が集中するという課題も抱えていました。

上記の問題を解決するため、京の宿綿善旅館は連絡ツールとしてタブレットを導入します。業務連絡をチャットツールであるLINEで行うことにより、フロント係が接客中でも客室係と連絡を取り合えるようになりました。

さらに、従業員ごとの作業量のばらつきを解消するため、スキルマップをもとに「一人三役化」を推進し、従業員が作業量の多い業務をサポートできるようにしました。

結果、客室係に生じていた1日当たり24分の無駄な時間を削減できた他、時間による従業員の作業量のばらつきをなくし、業務の効率化に成功しています。

 

株式会社さえき

「株式会社さえき」は、5sの徹底や業務に対する細かいルール付けによって、生産性向上に成功した企業です。スーパーマーケットである株式会社さえきがメスを入れたのはバックヤード業務になります。

従来のバックヤードでは在庫の配置などにルールがなく、5sにおける「整頓」ができていない状態でした。結果、商品を陳列する際にいちいち商品を探す必要があり、動線も満足に確保されていなかったようです

上記の問題を改善するために、商品を大物商品と小物商品に分類し、小物商品は売り場に設置したストック棚に保管するようにしました。さらに大物商品も分類ごとにカゴ台車に載せて所定の場所に配置したため、すぐに商品を見つけられるようになっています。

結果、バックヤードが広く使えるようになり、商品の陳列にかかる時間の削減に成功しました。

 

まとめ:生産性を向上させる方法を理解し、生産性を向上させよう

生産性の向上について解説してきました。効率的な生産性の向上を目指すためには、当記事で紹介したような指標を用いて、施策の成果を「見える化」する必要があります。重視すべき指標は業種などによって異なるので、まずは自社が設定すべき指標が何なのかをよく吟味することが重要です。

まずは個人で行える生産性向上の取り組みや5sの徹底などから実施しつつ、自社の業務全体をよく観察してみましょう。