業務システムとは?種類・導入のメリット・選ぶポイントを解説

「業務システム」という言葉を耳にしたことがありますか?

企業における管理やコストの効率化に欠かせない機能を提供するもので、さまざまなタイプが存在します。

しかし、業務システム、基幹システム、Webシステム、業務アプリケーション……これらの違いは何なのでしょうか?

また、自社で業務システムを導入する必要があるのか、どのように注意して選べばよいのか、多くの企業が悩むところでしょう。

このような疑問に対し、本記事では業務システムの種類や導入のメリット、自社に合う業務システムの選び方について詳細に解説します。あわせて、業務システムに対する「よくある質問」も紹介します。

あなたの会社に最適な業務システムを見つけ、業務最適化を推進しましょう。

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業務システムとは?

業務システムとは、業務を効率化するためのITツールを指します。

業務システムの種類は、会計管理システム、販売管理システム、生産管理システム、人事管理システム、勤怠管理システム、営業管理システム、顧客管理システムなど、多岐にわたります。

業務を効率化したり、管理データの品質維持につなげたりという目的で業務システムを導入することが一般的です。

業務システムを導入するメリット

企業にとって業務システムを導入するメリットは4つあります。

  • 業務の効率化ができる
  • 管理データの入力ミスが減る
  • オフィスを広く使える
  • 障害時の復旧が簡単になる

以下、詳しく説明します。

業務の効率化ができる

業務システムを導入するメリットの1つ目は「業務を効率化できる」という点です。なぜなら、業務システムによって業務スピードを上げたり、煩雑な作業工程を自動化できたりするためです。

たとえば、販売管理システムによって、商品の在庫状況や販売状況を販売部と開発部の間でリアルタイムに共有できるようになります。生産管理システムを活用すれば、生産ラインの稼働状況や製品の品質情報を管理本部が迅速に把握できるようになるでしょう。

あるいは、人事管理システムの活用により、各社員の人事評価情報を一元管理できます。人事評価は通常複数の管理職間で共有されるため、人事評価情報が一元化されていれば、管理職の評価業務のスピードを格段に上げられるでしょう。

このように、業務システムによってさまざまな部門の業務効率化が期待できます。

管理データの入力ミスが減る

業務システムを導入するメリットの2つ目は「管理データの入力ミスが減る」という点です。なぜなら、人間が介在する作業工程を削減できるためです。

たとえば、勤怠管理システムを活用することで、社員の勤怠情報を自動的に集計できます。 これにより、手作業での集計作業による入力ミスを大幅に減らせるでしょう。

あるいは、営業管理システムを導入すると、顧客情報や案件の進捗状況など、営業活動にとって重要かつ煩雑になりやすいデータの入力ミスが減ります。

このように、業務システムによってさまざまな管理データの入力ミス軽減が期待できます。

オフィスを広く使える

業務システムを導入するメリットの3つ目は「オフィスを広く使える」という点です。なぜなら、業務システムによってオフィススペースを削減したり別の用途に転用したりできるからです。

たとえば、業務システムによって紙媒体で保存していた情報をデジタル化すれば、クラウドやサーバーに保管できるようになります。その結果、書類やファイルの保管に必要だったスペースを削減できます。

また、業務システムを利用すれば、社内外の場所や時間に関係なく情報にアクセスできるため、在宅勤務やリモートワークなどの柔軟な働き方が可能になるでしょう。 これによって、オフィスのデスクスペースを縮小し、空いたスペースを別の用途に利用できます。

このように、業務システムによってオフィス全体を広く使えるようになります。

障害時の復旧が簡単になる

業務システムを導入するメリットの4つ目は「障害時の復旧が簡単になる」という点です。なぜなら、システム化によってデータや設定などをバックアップできるためです。バックアップすることで、障害発生時に迅速に復元できるようになれば、業務の停止時間を短縮できます。

たとえば、会計システムによって帳簿や伝票などのデータを電子化すれば、バックアップや復元が容易になります。その際、会計システムをクラウドサービスなどに委託すると、障害対応や復旧作業を専門的なサービスプロバイダーに任せられるため、自社の負担を軽減しながら業務を継続できるでしょう。

このように、業務システムによって障害時の復旧が簡単になります。

業務システムを導入するデメリット

一方で、業務システムを導入するデメリットは何でしょうか。具体的に、以下3つが挙げられます。

  • システムの導入にコストがかかる
  • 専門知識が必要になる
  • システムの不具合で業務が滞るリスクがある

以下、詳しく説明します。

システムの導入にコストがかかる

業務システムを導入するデメリットの1つ目は「システムの導入にコストがかかる」という点です。

業務システムの導入には、システムの導入費用やランニングコストがかかります。

業務システムの導入費用には、システム開発費用やハードウェア・ソフトウェアの購入費用、導入に伴う教育・トレーニング費用などが含まれます。導入するシステムの規模や機能によって大きく変わりますが、一般的に数百万円から数千万円程度となるでしょう。さらに、業務システムの導入には、業務フローの確認や必要な機能の精査など、工数や労力もかかります。

以上のように、業務システム導入のデメリットとして「システムの導入にコストがかかる」という点が挙げられます。

ただし、業務システムを導入することで、業務上の無駄な作業や人的ミスを削減できるため、長期的にはコスト削減につながることも多いでしょう。

専門知識が必要になる

業務システムを導入するデメリットの2つ目は「専門知識が必要になる」という点です。

業務システムの種類や機能は多岐にわたり、それぞれに特徴があります。 そのため、業務システムの選択や導入には、各システムの仕組みや特徴を理解し、比較検討する必要があります。 その際、ITや業務に関する専門知識が求められるでしょう。

また、業務システムの正常な動作を維持するうえで、サーバーやネットワークの保守運用作業が欠かせません。そのためには、システムの構成や仕様を把握し、障害やトラブルに対応できる能力が必要です。 さらに、システムの改善や拡張にも対応できるようにするためには、最新の技術や動向をキャッチアップする必要があります。 ここでも、ITやシステムに関する専門知識が必須です。

以上のように、業務システム導入のデメリットとして「専門知識が必要になる」という点を考慮する必要があります。

システムの不具合で業務が滞るリスクがある

業務システムを導入するデメリットの3つ目は「システムの不具合で業務が滞るリスクがある」という点です。

業務システムはハードウェアやソフトウェアなどの複雑な要素で構成されており、それらになんらかの不具合が発生する可能性があります。 たとえば、サーバーやネットワークの故障、プログラムのバグやセキュリティ侵害などです。 これらの障害やトラブルによって、システムが停止したり、誤動作したり、データが消失したりすることがあります。 その結果、業務に影響を与えることになりかねません。

また、システムは導入時点での要件や仕様に基づいて開発されていますが、その後に業務や環境が変化することもあります。 たとえば、新しい法律や規制の適用、新しいサービスや商品の提供、新しい顧客や市場の開拓などです。 これらの変化に対応するためには、システムも柔軟に変更や追加ができる必要があります。 

しかし、システムによっては適応性や拡張性が低く、変更や追加が困難だったり、高額な費用がかかったりすることがあります。 その結果、業務に支障をきたすことになります。 

以上のように、業務システムの適応性や拡張性に不具合が生じると、業務に深刻な遅れをもたらす可能性があります。

業務システムと類似システムの違い

では、業務システムとは具体的にどういうシステムを意味するのでしょうか。ここでは、類似システムとの違いについて、以下3つを説明します。

  • 基幹システムとの違い
  • Webシステムとの違い
  • 業務アプリケーションとの違い

以下、順に詳しく見ていきましょう。

基幹システムとの違い

基幹システムは、「基幹」という言葉から想像できるように、企業経営の根幹を司るシステムです。たとえば、販売管理システムや生産管理システム、財務会計システムなど、「そのシステムに不具合が生じると、経営判断ができなくなる」ものが該当します。

一方、業務システムは、特定の業務や目的のために使用する情報システムを指します。たとえば、名刺管理システムは顧客管理を効率化するものの、エラーが生じても会社の経営危機にまでつながるものではありません。システム導入以前のように名刺を紙媒体のまま保存すれば、効率は落ちるものの業務を進めることはできます。同様の理由で、ドキュメント保存管理システムや社内チャットシステムも、業務効率化には役立つものの、会社経営にまで影響を及ぼすものではありません。

とはいえ、基幹システムと業務システムは、厳密に区別できるものではありません。基幹システムの例として挙げた販売管理や生産管理、財務会計システムも、それぞれの業務担当者が使用するという意味では業務システムともいえます。

つまり、単に「そのシステムが停止すると、業務担当者だけでなく他部門や経営層にまで重大な影響が及ぶか」どうかで呼び方が変わります。

Webシステムとの違い

業務システムは、先に説明したように、特定の業務や目的のために使用する情報システムを指します。

一方、Webシステムは、インターネット経由で利用できるサービスやシステムを意味し、PCやスマートフォン、タブレットなどのWebブラウザが搭載されている機器での利用が想定されています。よく聞く「Google Workspace」「Microsoft 365」はその好例でしょう。Webシステムではサーバー上にデータが保存されているため、インターネット環境さえあれば、どこからでもWebサイトにアクセスしてサービスを利用することが可能です。そのため、社内だけでなくリモートワーク中の社員や外注スタッフとの連携業務を行ううえで便利です。

このように、業務システムとWebシステムは対極するものではなく、そもそも区別の仕方が異なります。業務システムは「ある業務を効率よく推進するために」という使用目的に着眼した表現です。一方で、Webシステムは「Web上で使用できる」という使用形態で区別した表現といえます。

業務アプリケーションとの違い

業務アプリケーションと業務システムは、それぞれ異なる概念です。

業務アプリケーションは、業務の効率的な処理を目的として開発されたアプリケーションであり、特定の用途・目的を満たすために開発されるソフトウェアのことを指します。具体的にはスケジュール管理やメールソフト、社内SNS、施設予約アプリなどが挙げられます。

一方、業務システムは、後述するERPやCRMなどのように複数のアプリケーションを組み合わせて構成されることが多く、企業内でのさまざまな業務を効率良く処理するために作られたシステムです。

このように、業務アプリケーションと業務システムは「部分」と「全体」という包括関係にあります。業務アプリケーションが「レンガ」とすれば、業務システムはレンガを積み上げた「壁」のようなものといえます。

業務システムの種類

業務システムは全部で9種類あります。

  • 勤怠管理システム
  • 販売管理システム
  • 会計管理システム
  • 生産管理システム
  • 人事給与システム
  • 配送管理システム
  • 営業支援システム
  • 顧客管理システム
  • 品質管理システム

以下、順に説明していきます。

勤怠管理システム

勤怠管理システムは、従業員の出勤時間、退勤時間、休憩時間などの勤怠情報を効率的かつ正確に管理するための業務システムです。勤怠管理システムを導入することにより、以下のようなメリットがあります。

  • 労働コスト削減への貢献
  • 時間管理の効率化と生産性向上
  • 勤怠データの正確性と信頼性の確保
  • 労働法令遵守とリスク軽減

勤怠管理システムは、従業員の出退勤時間や休暇の申請を自動的に集計・処理し、給与計算や勤務記録の作成に役立ちます。また、勤怠データの分析や労働法令の遵守など、さまざまな機能を提供しています。

従業員数が多く、手作業での勤怠管理が困難な場合や、労働時間や休暇などが複雑な職場への導入に適しているでしょう。

販売管理システム

販売管理システムは、販売業務に関するデータを一元管理できる業務システムです。たとえば、販売日時や取引相手、商品名、個数、価格などの情報を一箇所で管理できます。

販売管理システムを導入することにより、以下のようなメリットがあります。 

  • 業務効率化とコスト削減
  • ミスの防止と精度向上
  • 迅速な経営判断のサポート
  • データ共有が円滑になる

販売業務が多く、手作業での管理が困難な職場や、データ共有が必要な職場への導入に適しています。

会計管理システム

会計管理システムとは、企業内部向けの管理会計または外部向けの財務会計について財務報告をするうえで必要な電子的な取引記録や、会計帳簿作成機能のことです。

会計管理システムを導入することにより、以下のようなメリットがあります。

  • 会計業務の負担軽減と業務の効率化
  • お金に関連するバックオフィス業務全般の効率化
  • 複数拠点でデータ共有し会計業務を効率化
  • 決算の早期化や経営判断の迅速化

経理業務が多く、手作業での管理が困難な職場や、複数拠点でデータ共有が必要な職場への導入に適しています。

生産管理システム

生産管理システムは、製造業務における管理や作業の効率化、問題解決をサポートしてくれる業務システムです。生産管理システムには、生産計画、受注管理、発注管理、外注管理、品質管理などの豊富な機能が用意されています。

生産管理システムを導入することにより、以下のようなメリットがあります。

  • 生産情報を一元管理できるため、過剰生産や生産負荷の偏りを改善し、仕事量を平準化できる
  • 生産計画や受注情報などを基に、いつ・何を・いくつ・いつまでに製造するかの計画を立案できる
  • 納期遅延や品質不良などのトラブルを未然に防げる
  • 製造工程だけではなく、売上や原価などのコスト管理も行えるため、事業成長に役立つ

製造業務が多く、手作業での管理が困難な職場や、データ共有が必要な職場への導入に適しています。

人事給与システム

人事給与システムは、従業員の一連の人事情報を管理するシステムで、採用管理や人事評価、給与計算などが含まれます。

人事給与システムには、勤怠管理、労務管理、給与管理、人事評価、タレントマネジメント、採用管理などの機能があり、業務効率化やヒューマンエラーの抑制といったメリットが期待できます。

従業員数が多く、人事・給与業務が複雑化している職場への導入に適しているでしょう。

配送管理システム

配送管理システムは、商品の出荷から配送までの工程を把握・管理する業務システムです。

物量の把握から配送計画、配送状況も行えるため、配車業務や配送業務などの管理工数を大幅に削減できます。配送管理システムを導入することにより、以下のメリットがあります。

  • 最適なモーダルを組み合わせられる
  • 無駄のない配送ルートを選択できる
  • リアルタイムで配送計画を変更できる
  • トラックなどの車両管理を効率化できる

物流業務が多く、手作業での管理が困難な場合や、データ共有が必要な職場への導入に適しています。

営業支援システム

営業支援システムは、営業部門の業務をサポートしたり、課題を解決したりすることによって、売上向上を目指す業務システムです。

営業支援システムを導入することにより、以下のメリットがあります。

  • 営業活動を可視化できる
  • 営業活動を標準化できる
  • 営業活動を効率化できる

営業管理が煩雑化していたり営業効率が悪化していたりする職場や、営業ナレッジを共有できていなかったり営業と他部署間で連携がとれていなかったりする職場への導入に適しています。

顧客管理システム

顧客管理システムは、企業が顧客とよい関係を築き、継続することを目的としたツールです。

顧客の連絡先や担当者名などの情報をまとめて管理できるだけでなく、メール配信やキャンペーン管理など、マーケティングに役立つ機能を活用することができます。

顧客情報の管理が煩雑化している場合や、顧客情報の共有が必要な職場への導入に適しています。

品質管理システム

品質管理システムとは、企業が製品やサービスの品質をよりよくすることを目指し、継続的に改善していくための業務システムです。主に、品質目標や方針を達成するための取り組みを実行し、品質を高めることで顧客満足度の向上につなげることを最終目標とします。

品質管理システムを導入することにより、以下のメリットがあります。

  • 品質検査データの改ざんや誤入力を防げる
  • 規格外製品の誤出荷を防げる
  • 品質検査時間を節約し、効率的に作業を進められる

製品やサービスの品質を向上させたい場合、または顧客からクレームが多い職場への導入に適しています。

自社に合う業務システムを選ぶポイント

自社に合う業務システムを選ぶポイントは、以下3点です。

  • 業務フローを洗い出す
  • 業務の課題を明確にする
  • システムの提案依頼書(REP)を作成する

以下、具体的に説明します。

業務フローを洗い出す

自社に合う業務システムを選ぶポイントの1つ目は「業務フローを洗い出すこと」です。なぜなら、業務フローを洗い出すことによって、今まで気づけなかった業務の重複やムダを顕在化できるため、業務の効率化や改善を図れるからです。

同時に、システム導入時に必要な機能や要件を明確にできるでしょう。たとえば、営業部門においては、顧客情報の管理や見積書の作成などがあります。この場合、顧客情報の管理から見積書の作成までの一連の流れを洗い出すことで、営業管理システムに必要な要件が見えてくるでしょう。

このように、業務システムを選択するためには、業務フローの洗い出しが欠かせません。

業務の課題を明確にする

自社に合う業務システムを選ぶポイントの2つ目は「業務の課題を明確にすること」です。なぜなら、業務の課題を明確にすることで、業務システムの導入目的や効果をはっきりさせられるからです。 

また、業務の課題を明確にすることで、業務システムの選択や導入において、必要な機能や要件を明確にできます。これらは、業務システムの導入において重要なポイントです。

たとえば、営業部門では、顧客情報の管理や見積書の作成などがあります。 この場合、業務の課題としては、顧客情報の管理が煩雑化していることや、見積書の作成に時間がかかっていることなどが考えられるでしょう。 このように業務の課題を明確にすると、営業部門への業務システムの導入目的として「顧客情報の管理を効率化すること」や、「見積書の作成を自動化すること」などが見えてきます。 また、業務システムの選択や導入においては、「顧客情報の管理機能」や「見積書作成機能」なども必要であることが明確になるでしょう。

このように、業務システムを選択する際は、自社の業務における課題を明確にし、それに応じた目的や効果を設定して必要な機能や要件を洗い出すことが重要です。

システムの提案依頼書(REP)を作成する

自社に合う業務システムを選ぶポイントの3つ目は「システムの提案依頼書(REP)を作成すること」です。REPとは、Request for Proposalの略で、自社の業務における課題や要件をまとめて、システムの提案を求める書類のことです。 REPを作成することで、以下のようなメリットがあります。

  • 自社の業務における課題や要件を明確化:REPでは、自社の業務の現状や目的、課題、要件などを詳細に記述します。これにより、自社がどのようなシステムを必要としているかを整理できます。また、REPを作成する過程で、業務の改善点や見落としていた課題の再発見にもつながるでしょう。
  • 提案されたシステムの比較が容易に:REPでは、システムの評価基準や選定方法も記述します。それによって、提案されたシステムを客観的に比較し、自社に最適なシステムを選択できるようになるでしょう。また、REPには予算や納期なども記載するため、コストパフォーマンスや納期遵守なども考慮したシステム選択ができます。
  • 提案されたシステムの品質が向上:REPでは、自社の業務における課題や要件を詳細に記述します。これにより、ベンダーやサービスプロバイダーは、自社の業務に適したシステムを提案できるようになるでしょう。

業務システムを選択する際は、自社の業務における課題や要件を明確化し、自社の状況に最適なシステム提案を開発企業から受けることが重要です。そのため、しっかりとしたREPを作成しましょう。

よくある質問

業務システムの導入を検討するうえで、よくある質問をまとめました。

  • ERPとは何ですか?
  • ERPとSAPの違いは何ですか?
  • ERPとCRMの違いは何ですか?
  • ERPとAPIの違いは何ですか?

以下、順に説明していきます。

ERPとは何ですか?

ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業の経営資源(「人」「モノ」「カネ」)を一元管理するシステムです。従来、これらの資源は各部署で個別に管理されていましたが、ERPによって全体の視野で効率的に配分できるようになりました。

ERPの基本的な機能は、人事、財務、会計、在庫、販売などの管理ツールを提供し、これらの情報をリアルタイムで更新して利用できるようにすることです。

主な用途は「経営資源の最適化」です。各部署の個別システムを1つのERPに統合することで、経営課題の把握と解決に大きな力となります。企業のさまざまな部門をつなぎ、経営資源を効率的に管理し、最適化するための強力なツールといえるでしょう。

ERPとSAPの違いは何ですか?

ERPは業務統合システムのカテゴリーを指す一般用語です。一方で、SAPはその中でもとくに有名で広く採用されている企業およびその製品を指します。

SAP社はドイツのソフトウェア企業です。1973年に世界初の統合基幹業務システム「R/1」を開発し、その後もERP市場の世界的リーダーとして今日までトップクラスの占有率を誇っています。SAP社のERP製品は、その高い機能性と信頼性から多くの企業に選ばれており、そのため「SAP」という名前がERPそのものを指すことが一般的になっているのです。

ERPとCRMの違いは何ですか?

ERPとCRMは、どちらも企業の業務効率化と成長をサポートするシステムですが、その焦点と機能が異なります。

ERPは「企業資源計画」を意味し、前述のように企業の経営資源である「人」「モノ」「カネ」を一元管理することを目的としています。企業内の各部署の情報が統合され、全体の視野で資源の効率的配分が促進されるでしょう。

一方、CRMは「顧客関係管理」を意味し、顧客との関係を深化させることを中心に据えています。顧客との初期接点から優良顧客となるまでの長い範囲をカバーし、顧客のロイヤリティ向上を目指します。そのため、顧客情報とコミュニケーション全般の情報を一元管理し、それを基に徹底した顧客管理を行えるようになるでしょう。

このように、ERPとCRMは焦点や機能が異なります。全体の業務効率化と資源最適化が目的ならERP、顧客中心の戦略とサービス向上が目的ならCRMが適切な選択となるでしょう。

ERPとAPIの違いは何ですか?

ERPは企業の経営資源最適化を目的とした「システム」であるのに対して、API(Application Programming Interface)は外部のアプリケーションから特定のサービス・システムの機能を利用するために提供される「窓口」を指します。

APIを利用することで、外部のシステムの機能やデータを活用し、多様な機能を持ったアプリケーションをコストを抑えながら開発できる点がメリットです。ERPとAPIは本来異なるものですが、ERPにおいてWeb APIを利用することで、ERPシステムと外部システム間でデータ連携が可能になります。

まとめ

本記事では、業務システムの種類や導入のメリット、そして選ぶポイントについて詳しく解説しました。業務システムを導入することで、業務の効率化や管理データの入力ミス削減が期待できます。さらに、オフィススペースを広く活用できたり、障害時の復旧も簡単になったりと、多様なメリットが想定できるでしょう。

とはいえ、業務システムの種類は多岐にわたります。自社に最適な業務システムは導入目的によって変わるので、自社で解決したい課題を明確にしたうえで、導入すべきシステムを選びましょう。

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