生産性向上のためのツールは世の中に溢れています。その中でも自分にとって最適なツールは何かをきちんと探し出せていますか。自分にとって最適なツールが見つけられるように、おすすめツールを11個紹介していきます。
生産性を高める方法としてITツールが用いられますが、近年のニーズの高まりから様々なITツールが生産性向上のために開発されています。ITツールが普及する一方で、自分にとって最適なツールを見つけることは難しいですよね。
それでもあなたは「本当に生産性が向上するツールが何か分からない」「自分に最適なツールを知りたい」と感じているのではないでしょうか。
本記事ではあなたが活用したいITツールが見つけられるように、数ある生産性向上に役立つツールの中から11個を厳選し、以下の流れでお伝えします。
- そもそも生産性向上・業務効率化とは何なのか
- 生産性向上のポイント
- 生産性を向上させる3つのメリット
- 生産性を向上させる具体的な方法
- 生産性向上ツールの3つの選び方
- 生産性向上・業務効率化できるツール11選
記事の後半では厳選したおすすめツールを実際に紹介するので、最後までお読みください。
目次
そもそも生産性向上・業務効率化とは?
生産性とは「生産資源を投入して、どれだけの成果を生み出せたのかを測る度合」のことです。たとえば「8人で300個のお菓子を生産する企業」と「10人で300個のお菓子を生産する企業」では、前者の方が生産性が高いといえます。
つまり、生産性向上とは「より少ないコストや労力で、高い成果を出している状態にすること」です。一般的に「成果量(業務量)÷かかった時間」で求めることができます。生産性を向上させるためには「成果量を増やす」か「時間をかけないようにする」ことが求められるのです。
一方で、業務効率化とは「作業を簡略化・効率化することで労力やコストを下げる取り組み」を指します。つまり、作業内容をより簡単にし、効率的に行うことで、作業に費やす時間やコストを押し下げることを業務効率化といいます。
生産性向上のポイント
生産性を向上させるために「成果量を増やすこと」と「時間をかけないこと」が必要であることをお伝えしました。特に、「時間をかけないこと」に注力することが生産性向上のポイントです。
なぜなら、往々にして成果量を増やすことは非常に難しいことだからです。厚生労働省の発表によると、2013年から企業規模にかかわらず多くの企業で「人手が足りていない」と感じています。
また、総務省のデータによると、15歳~64歳の生産年齢人口は2013年時点で7901万人でしたが、2060年には4418万人にまで減少するといわれています。労働人口が減少することで、成果量を増やすのがより難しくなることが予想されます。
引用元:総務省|平成26年版 情報通信白書|我が国の労働力人口における課題
このように「人手が足りていない問題」と「労働人口が減少している問題」を踏まえると、生産性向上のポイントは「時間をかけないこと」に注力する必要があるといえるでしょう。
生産性を向上させる3つのメリット
では、生産性を向上させるメリットとはどういったものがあるのでしょうか。生産性を向上させる主なメリットは下記の3つです。
- コスト削減につながる
- 人手不足解消につながる
- 業務のムダ削減につながる
順番に3つのメリットについて解説していきましょう。
コスト削減につながる
まず、生産性を向上させるメリットの1つにコスト削減が挙げられます。生産性が向上すると、同じ時間でより高い成果を生み出すことが可能になります。そのため、仕事や業務に費やす時間が短くなり、残業代や手当といった人件費の削減が可能です。
また、輸送費や印刷代といった費用の縮小も可能になります。以上から、コストの削減につながることが生産性向上のメリットと言えるでしょう。
人手不足解消につながる
次に、生産性を向上させるメリットとして人手不足の解消につながる点があります。単調な仕事や作業にITツールを使用することで、人的資源を必要な箇所に投入することが可能になります。
特に、人手不足と感じている企業では、人がやらないといけない業務に対して人的資源を投入することが必要です。
ツールを使用し生産性を向上させることで、人手不足の解消につながるでしょう。そのため、人手不足の解消につながる点は生産性向上のメリットであるといえます。
業務の無駄削減につながる
最後に、生産性向上のメリットとして業務の無駄削減につながることが挙げられます。ITツールを使用すれば「どの作業にどれくらいの時間がかかっているか」確認することが可能です。
業務内容と費やした時間を確認できるので、業務内容の効率性が一目で把握できます。結果として業務内容の無駄を削減することが可能になるでしょう。業務の無駄削減につながる点は生産性向上のメリットであるといえます。
生産性を向上させる具体的な方法
生産性を向上させる具体的な方法は主に以下の3つです。
- 業務の自動化
- 業務の標準化
- アウトソーシングの活用
業務の自動化とは、AIを活用した集計や分類の自動化、RPAサービスの導入を指します。RPAサービスとは、ソフトウェアロボットが人と同じように作業することです。
問い合わせメールへの自動返信は有名なRPAサービスとして活用されています。これまで人が行っていた業務をAIやRPAの導入で自動化することで、生産性が飛躍的に高くなります。
業務の標準化とは、業務効率や成果に差が出ないよう仕組みを統一することです。業務マニュアルやルールの徹底といったことが具体的な方法として挙げられます。
最後に、アウトソーシングの活用です。外部へ業務を依頼することにより、自社でやるべき業務に集中できるため、生産性向上に繋げることが可能となります。
生産性向上ツールの3つの選び方
どの生産性向上ツールを活用するか検討する上で、最も大切なのは選び方です。実際に役立つツールを紹介する前に、まずは生産性向上ツールを選ぶ際の3つのポイント紹介していきます。
- 現状の課題を明確にする
- 生産性向上の目的を明確にする
- 目的に合ったツールなのか確認する
なぜ上記3点が大切なのか、それぞれ順に解説していきます。
現状の課題を明確にする
まずは現状の課題を明確にすることが大切です。現在どのような業務が行われていて、どれだけの時間的なコストが費やされているかなどの確認を行いましょう。
業務の種類や内容のどういった点に課題があるのかを明確にすることで、どのようなツールを活用すべきか明らかになるでしょう。
昨今、新型コロナウィルスの影響でリモートワークや時間差出勤といったオフィスに出社する機会をなるべく減らすことが推奨されています。業務を効率化し、こうした課題をクリアしていると企業価値は高まるため、あわせて考慮しておきましょう。
生産性向上の目的を明確にする
次に、生産性向上の目的を明確にすることが重要なポイントです。なぜなら、どの業務の生産性を向上したいのかにより、活用するツールが違ってくるからです。
また、生産性を向上させる目的の重要度を明確にするために順位付けすることも大切です。
企業や個人の資本力や環境によっては、すべての業務にツールを活用することが難しい場合もあります。そのため、生産性向上の目的を明確にして優先順位をつけておきましょう。生産性向上のためのツールの導入にも優先順位がつくことにより、体系立てて把握することが可能になります。
目的に合ったツールなのか確認する
最後に、目的に合ったツールを導入できているのかを確認しましょう。ここまできちんとポイントを踏まえてきたのに、活用するツール自体が目的に沿っていないと、ツールを使用する意味がなくなってしまいます。
導入を予定しているツールの目的が、成し遂げたい生産性向上の目的と合致しているのかをきちんと確認しましょう。活用後もこのような測定は行うべきで、定期的に確認することが望ましいです。
生産性向上・業務効率化できるツール11選
それでは、いよいよ生産性向上・業務効率化するためのツールの中で、厳選した11選を順番に解説していきます。これまでの解説でもお伝えした通り、目的に合ったツールを活用することが大切です。
そのため、今回は以下のようにジャンル分けして解説していきます。
- コミュニケーションツール
- 業務管理ツール
- バックオフィスツールと目的
それでは順にみていきましょう。
コミュニケーションツール
コミュニケーションツールとして役立つおすすめのツールは下記のツールです。
- Chatwork
- slack
- メールワイズ
名前は聞いたことのある方も多いツールが並んでいるのではないでしょうか。それでは順番に解説していきます。
Chatwork
Chatworkは、導入を行った企業数が29万6,000社を超える社内チャットツールでは最も知名度の高いツールです。ビデオ通話やファイルやタスクの共有・管理といった豊富な機能がそろっている点が魅力です。
Chatworkでは、チャットを紐づけてタスク化することができるので、他のタスク管理ツールでまとめる必要はありません。個人タスクとして把握も可能で、タスクをうっかり忘れてしまうことも防げます。
さらに、ITツールでよくある「多機能であるがゆえに操作が複雑」といった問題が生じることもChatworkではありません。「使いこなせないまま使用をやめる」というパターンにはまることはなく、直感的な操作が可能です。
無料プラン | 有り |
有料プラン | ビジネス(500円/1名あたり)、エンタープライズ(800円/1名あたり) |
slack
Slackは75万社を超える企業が利用しているコミュニケーションツールです。プロジェクトやトピックごとにジャンル分けしてチャットが行えるため、より円滑な社内コミュニケーションが可能なツールとしてオススメできます。
また、チャンネルごとにセキュリティの強度に差をつけられるので、企業が活用することも可能です。そして、SlackはGoogleDriveやSkypeといった外部ツールとも連携できることも便利な点です。
無料プラン | 有り |
有料プラン | スタンダード(月額850円) プラス(月額1600円) |
メールワイズ
メールワイズはサイボウズが提供しているメール管理・共有システムです。問い合わせ用のメールアドレスを全社員で共有している場合に起こる問題に対して効果的なツールといえます。
問い合わせメールを社員間で共有する時に必ず起こる問題が「誰が連絡するか」です。メールワイズはこのような状況の際にすぐに担当者を振り分けるので、メールが埋もれたりする心配もなく、メール管理を適切に行うことができます。
担当が不在時でも先方との対応履歴はクリック1つで確認できるので、円滑なコミュニケーションツールとして活用できるでしょう。
無料プラン | 無し |
有料プラン | スタンダード(500円/1名あたり)、プレミアム(1500円/1名あたり) |
業務管理ツール
続いては業務管理ツールを紹介します。日々の個人や組織での業務の中では、タスクの管理が必要です。
そのため、タスクの状況や進捗度を確認できる便利なツールで、生産性を向上させるために必要なツールを以下にまとめました。
- Trello
- サイボウズOffice
- backlog
- Dropbox
では順番に解説していきましょう。
Trello
Trello(トレロ)は、タスクをカンバン方式で管理していくツールです。メンバー間のタスク状況を可視化できるので、次に行うべきタスクや導入のタイミングをきちんと把握することが可能です。
操作性も直観的で簡易的なタスク管理ツールで、最低限の設定は標準装備されています。ある程度の管理は標準装備の内容で十分対応可能なので、個人や小グループでの効率的なタスク管理に特化したITツールです。
無料プラン | 有り |
有料プラン | ビジネスクラス($9.99/1名)、エンタープライズ(ユーザー数で変動) |
サイボウズOffice
サイボウズOfficeは、スケジュールや経費精算等といった合計13種類の機能をもつグループウェアツールです。メール管理やスケジュール管理など複数のITツールを探している場合には、こちらのツールが活用できるでしょう。
特に、スマホから閲覧可能な昨日は出先などでも確認できるため便利な機能といえます。導入にあたっては従業員の同意が必要ですが、導入できれば効率化が一気に進むことでしょう。
無料プラン | 無し |
有料プラン | 500円/1名あたり |
backlog
backlogは他のタスク管理ツールと違い、プロジェクトの流れの中でタスク管理を行うことができるツールです。毎回のプロジェクト毎でタスク管理を行うので、全タスクの進捗が見える化されることが特徴です。
また、タスクの担当者や期限を確認しながら担当者の付け替えや共有を実施することもできます。プロジェクト型の業務がメインの場合は、非常に便利なツールといえます。
無料プラン | 無し |
有料プラン | ビジネスクラス($9.99/1名)、エンタープライズ(ユーザー数で変動) |
Dropbox
Dropboxは、社内文書や契約書といったファイルを1箇所に集約できるオンラインのストレージです。特徴としては、ファイルや資料をすべて1箇所に共有して保存できる点です。そのため、メール等に添付して送りあう必要はありません。
閲覧できる権限も自由に制限することができるので、オンラインストレージサービスとしては非常に役に立つツールといえるでしょう。ユーザー数は全世界で5億人を超えるツールで、フリーランスにもおすすめのツールです。
無料プラン | 無し |
有料プラン | Plus(1200円/月)、Standard(ユーザー数で変動) |
バックオフィスツール
最後にバックオフィスツールを紹介します。経理や会計といった業務に特化したITツールを活用することで、業務の生産性も飛躍的に向上するでしょう。
- board
- freee
- SmartHR
- ジョブカン
どのような目的で活用すべきかを検討するためにも、4つのツールの特徴を確認していきましょう。
board
boardは、見積書や領収書の発注や作成が可能なツールで、幅広いバックオフィスの業務管理が可能です。過去の会計の結果や現在のファイナンス状況を踏まえて見込みを把握することができます。
その便利さから、有料プランを導入している企業は3200社を突破しました。
同じステータスで書類の管理が行える点も特徴で、まとめて必要書類を作成が可能です。また、バックオフィスツールの1つである「freee」と自動連係することができるので、複数導入していればより効率的なツールとなります。
無料プラン | 無し |
有料プラン | ベーシック(1980円/月)、スタンダード(3980円/月)、プレミアム(5980円/月) |
freee
freeeは、決算・申告、経営分析や部門別の収支管理が行えるバックオフィスツールです。バックオフィス機能をすべてパーパーレス化して一元管理できる点は特筆すべき特徴といえます。手入力等のミスがなくなるため、作業時間を大幅に削減可能です。
ネットバンクやクレジットカードをfreeeに連携すれば、日付や金額、取引先などの利用明細を自動で取得します。データからAIを使って勘定科目などを推測してくれるため、作成にかかわるコストを削減可能です。結果として、生産性を大幅に向上させることに期待ができます。
無料プラン | 無し |
有料プラン | スターター(980円/月)スタンダード(1980円/月)
プレミアム(3316円/月) |
SmartHR
SmartHRは、労務人事のためのクラウドソフトです。従業員が必要な情報を直接入力した内容を、福利厚生や給与払い等の様々な場面で活用することが可能になります。
書類はペーパーレス化で対応できるだけでなく、データも蓄積されるので常に最新の状態で管理できます。労務管理クラウドシェアNo.1にも選ばれ、バックオフィスツールとしての知名度も高いです。
無料プラン | 利用人数30名まで |
有料プラン | プロフェッショナルプラン スタンダードプラン スモールプラン |
ジョブカン
勤怠管理のクラウドシステムのひとつであるジョブカンがおすすめです。ジョブカンは、変形労働や裁量労働といった多様な勤務形態への適応ができる点が特徴です。正社員やアルバイトといった雇用形態ごとに設定することも可能で、システム設定はかなり細かく設定できます。
システム利用料としても安価で利用できることも特徴ですので、細かい設定で勤怠管理を行いたい場合の、おすすめツールといえるでしょう。
無料プラン | 有り(機能制限あり) |
有料プラン | 「出勤管理」「シフト管理」「休暇・申請管理」「工数管理」から
1種類プラン:200円/月 2種類プラン:300円/月 3種類プラン:400円/月 4種類プラン:500円/月 |
まとめ:目的にあったツールを選び生産性を向上させよう
11種類のツールを紹介しましたが、全てのツールにそれぞれ特徴があります。そのため、きちんと目的にあったツールを選んで活用することが必要です。
ジャンル分けしたツールもほとんど機能は違いますが、メリットはほとんど変わりません。そのため、ジャンル分けしたツールの選択に大きく影響が生まれるわけではないといえるでしょう。
現代の働き方にあわせて生産性が向上すると、コスト削減や人手不足の解消につながります。
目的にきちんとあったツールを活用して、生産性を向上させていくと良いでしょう。
生産性向上のためのツールを通して、あなたにもたらされるメリットを踏まえながら、これから活用するツールを検討してください。