Stripeの使い方は?決済フローや導入のメリット・デメリットを紹介

近年、ネット上での買い物がクレジットカード中心になっていることもあり、オンラインでの決済システムを導入する企業が増えています。

オンライン決済はPayPalやPay.jpなど様々なサービスがありますが、シンプルな手数料と開発コストの低さから特に注目されているのがStripe(ストライプ)です。

当記事ではStripeの特徴や決済フロー、使い方、導入するメリット・デメリットなどを解説します。オンライン決済システムを検討している人はぜひご覧ください。

 

Stripeの特徴とは

「Stripe」とはアメリカの企業であるStripe社が提供しているオンライン決済システムです。世界120ヵ国以上の企業に導入されており、AmazonやGoogleといった世界を代表するような大企業でも利用されています。

APIの使いやすさとシンプルな料金体系が魅力で、導入のハードルが低いのが最大の特徴です。日本では2016年10月にサービスがリリースされ、DeNAやSlack、SmartHRなど、名だたる企業で導入されています。

ここからは、以下に示すStripeの3つの特徴について解説します。

  • 事前審査が必要ない
  • 決済画面への遷移がない
  • 開発に手間がかからない

 

①事前審査が必要ない

Stripeを利用すれば、事前審査を行うことなく決済システムを導入できますアカウント登録は必要情報を入力すれば無料で簡単に行える上、本登録が完了すればAPIキーを使用できるようになるため、すぐに導入作業に移ることが可能です。

 

②決済画面への遷移がない

決済の際に決済画面に遷移する必要がないこともStripeの大きな特徴です。Stripeは「API型」の接続方式を採用しています。「API型」では決済業者の管理ページに遷移せず、サイト内で決済が完了するのが特徴です。

決済画面への遷移がないということは決済に時間がかからないということであり、ユーザーにストレスを与えづらくなっています。また、決済業者の管理ページは自社の管理の範疇ではないため、自分好みにカスタマイズすることができません。

API型であるStripeでは自社オリジナルの決済ページが作成できるので、サイト内で統一性を持たせることが可能です。

 

③開発に手間がかからない

開発工数を大きく抑えられるのもStripeの強みです。Stripeの開発画面では各機能がダッシュボードに集約されており、基本決済以外の例外運用をすべてダッシュボード上で行うことが可能です。

また、セキュリティシステムの構築も簡単に行える上、顧客に自動でレシートメールを送信できる機能があるなど、開発者にとってうれしい機能が多く搭載されています。

拡張性にも優れているため、最初に基本的な機能のみで初期運用を行い、後から機能を増やしていくことも可能です。取引きの規模に合わせて工数を調整することができるのも、Stripeの大きな特徴といえるでしょう。

 

Stripeの決済フロー

Stripeの決済フローは以下の通りです。

  1. チェックアウトで決済方法を選択
  2. 必要情報の入力や本人認証を行う
  3. 決済完了の通知を受け取る

上記のように、Stripeの決済フローは3つのステップで完了します。

決済フロー中でユーザーが操作する必要があるのは、決済方法の選択と、クレジットカードの番号や口座番号といった必要情報の入力やApple Payなどの本人認証のみです。

その結果、決済中にユーザーに与えるストレスが少なくなっており、コンバージョン率の低下防止につながっています。

ここからは、以下の流れに沿ってStripeの決済に関する内容について説明します。

  • Stripeの決済フォームの使い方
  • Stripeの決済手数料
  • Stripeの決済の安全性

 

Stripeの決済フォームの使い方

Stripeの決済フォームはカスタマイズ性が高く、自社好みにデザインをカスタマイズできます

基本的にはStripeのライブラリを活用して顧客情報をトークン化し、安全に管理できる状態にした上で、PHPというプログラミング言語でフォームを作成することが多いです。

決済フォームでは以下のような情報を取得する必要があります。

  • メールアドレス
  • クレジットカード番号
  • 口座情報

上記の情報が取得できるような機能が備わっていれば、デザインなどは自由に変更することが可能です。

 

Stripeの決済手数料について

Stripeの手数料は基本的に決済成立ごとに「3.6%」に固定されています。初期費用や月額費用などの隠れた手数料も存在せず、徹底的にシンプルな料金体系になっているのが特徴です。

結果、膨大な取引がある企業でも、手数料を差し引いた純利益を容易に算出することが可能です。また、料金自体もPayPalやPay.jp、omiseなどの主だったオンライン決済システムと比較して割安になっています。

ただし、取引金額が大きい場合や、一般的なStripeの機能では想定されていない独自のビジネスモデルに利用する場合は、手数料が変わってくるので注意しましょう。

 

Stripeの決済は安全?セキュリティは?

前述の通り、Stripeではセキュリティシステムを簡単に構築することができます。元々入力フォームが<iframe>タグで隔離されているため、サーバプログラムやJavaScriptがハッキングされたとしても不正アクセスされることがありません。

また、公式のJSライブラリを利用すれば顧客情報を暗号化してから登録できるため、外部の悪意にさらされるリスクを最小限に抑えることが可能です。

AmazonやGoogleなどの最大手の企業に使われていることからも分かるように、セキュリティ面では安心できるといえるでしょう。

 

Stripeの使い方

前述の通りStripeはアカウントを作成することで容易に使用することができます。ログイン後のダッシュボードではAPIキーを取得できる他、ダッシュボードで例外運用などの操作が可能です。

ここからは、以下に沿ってStripeの詳しい使い方について説明いたします。

  • Stripeのログイン方法
  • Stripeの定期支払いの設定方法

 

Stripeのログイン方法

Stripeへのログインはログイン画面から行うことができます。

初回ログインの場合はアカウントの作成が必要です。

ログイン画面内の「ユーザー登録」ボタンを押したら、表示される項目を入力し、誘導にしたがって操作を行うことでアカウントを作成することができます。アカウント作成が完了したら、IDとパスワードを入力することで管理画面にログインすることが可能です。

管理画面のダッシュボードでは各種運用に関する機能を利用できる他、APIキーを表示させることができます。表示されたAPIキーを利用して決済ページを構築することで、Stripeの決済機能を利用することが可能です。

 

Stripeの定期支払いの設定方法

Stripeで定期支払いの設定を行うためには、まず顧客と商品の情報を登録する必要があります。ダッシュボード上の「顧客」や「商品」の画面右上にある「新規」ボタンより、情報の登録を行いましょう。

情報の登録が完了したら、ダッシュボード上の「定期支払い」から設定を行います。「定期支払い」の項目上に表示される「顧客を選択」ボタンをクリックし、流れにしたがって項目を入力していけば、定期支払いの設定は完了です。

設定後はダッシュボード上の「Billing」から定期支払いが設定されている顧客の一覧が表示されるので、設定が完了しているかを確認できます。

 

Stripeの導入方法

Stripeは、ログイン後に得ることができるAPIキーを活用して決済ページを構築することで導入が可能です。決済ページ自体はPHPやRubyなど、様々な言語を用いて構築できます。

Stripeは公式の開発ドキュメントやJSライブラリが充実しているので、活用すれば容易に決済ページを構築することが可能です。

注意が必要なのが、初期段階でダッシュボード上に表示されるのはあくまでテスト用APIキーであるということです。

本番環境が整い、本番用のAPIキーが必要になった際には、ダッシュボード上の「本番環境利用の申請」から申請を行いましょう。

申請が完了すれば本番用のAPIキーが使用可能になり、決済システムが利用可能になります。

 

Stripeを導入するメリット・デメリット

Stripeを導入する最大のメリットは、前述にも述べた料金体系のシンプルさです。基本料金や月額料金がかからず、決済単位の手数料が固定されているので、純利益の算出が容易で、経理担当のリソース消費を最小限に抑えられます。

加えて、短期間で顧客へのストレスがなく、セキュリティ面でも優れている決済ページを構築できるため、金銭的な面だけでなく工数的な面でも費用対効果に優れているといえるでしょう。

ただし、デメリットとしてAPIドキュメントが全て英語であることが挙げられます。そのため、導入方法を理解するのに少々手間がかかります。また、顧客へ返金する場合は返金手数料がかからないものの、決済手数料は返金されることがありません。

よって、無駄な損失を出さないために、確実な決済を行えるような工夫をする必要があります。

 

Stripeは個人事業主や個人利用にもおすすめ

結論からいえば、Stripeは個人事業主でも利用できます。法人と使用感の差がなく、Stripeのメリット最大限活かすことが可能です。

Stripeの登録では法人番号を入力する欄がありますが、個人事業主の場合は入力する必要がありません。入力しなくても登録作業を先に進めることができるので、迷うことがないようしっかりと把握しておきましょう。

 

まとめ:低コストの決済システム運用ならStripeが最適

Stripeの特徴や使い方などについて解説してきました。Stripeは公式のドキュメントやライブラリを利用すれば簡単に決済ページを構築できるので、開発工数を大幅に削減することができます。

また、決済手数料もシンプルなので、経理担当の負担も軽減することができ、結果的に組織全体の人的リソースを節約することが可能です。

アカウント作成は無料なので、オンライン決済システムを検討しているのであれば、一度登録して使用感を確かめてみることをおすすめします。