株式会社OH YEAHは居住者の要望、空室の管理、新規入居者の募集、入退居の手続きといった賃貸管理業務の全てが、「LINE」で完結するサービス「raQkan(ラクカン)」の企画・開発・運営を行っています。
設立からわずか1年ながら、不動産業界の中で特にDXが遅れていると言われる賃貸管理業界に変革をおこすサービスを展開し順調な滑り出しをする、株式会社OH YEAHの代表 新元 翔大様に「事業開発する上で大切な事」について伺いました。
新元 翔大 ー株式会社OH YEAH 代表取締役/創業者ー
経歴
1986年 兵庫県生まれ 2019年まで不動産業務や賃貸管理業務に従事
2020年株式会社OH YEAHを設⽴、代表取締役に就任
目次
大事なことは「想像」する事
raQkanではLINEで簡単にやりとりができる
-投資型資金調達サイトでは目標上限を1時間半で達成するなど大きな期待を得ている御社ですが、今事業が好転しているように感じます。根本にあるものは一体何でしょうか?
「とにかく想像する。」
これが大事な事で、自分が気をつけている事です。事業や会社が1年後5年後10年後どうなっていたいのか。会社を大きくして色んなサービスを作りたいんだったら、どういう設計のサービスを作るべきなのか。サービスの業務フローを作る中で出てくるプレイヤーはどう動くのか。
そういった事を想像する事が事業をする上で大事なんじゃ無いでしょうか。
-実際新元さんはどんな想像をされてきたんですか
業務フロー作成は毎日、本当に毎日続けています。一旦全てをフローに書き起こして一つずつ検証し、どう行動すればいいのかを毎日毎日続ける。
この時仲介業者がどう動いてここで連絡ツールは何を使って、申し込みはこのフォームで、何時何処に何の契約書が保管されていくのか、サービスを作る上で出てくるプレイヤーは普段どんなツールを使っているのか…。という細かい所まで一個一個全部想像してやっています。
また業務フロー作成の為にという面もありますがどこが獲得したい顧客なのかを想像しながらヒアリングを行うようにしています。弊社だと不動産オーナーさんって一言に言っても沢山種類があって戸数でセグメントが分かれていて。彼らの賃貸管理方法も千差万別で、こちらに丸投げされる方もいれば、壁紙の種類を1から指定される方もいる。そういった違いがあるということをまず想像出来ていなければ全部要望を聞く事になってします。
例えば獲得したい層が丸投げをされる層なのに、壁紙を1から指定する方の要望を聞き、それを叶えるサービスを作ってしまうみたいな。顧客がどういうセグメントで分かれていてどんな考え方を持っているのかを想像しながらヒアリングをすると質問内容も変わるし、聞いたものをどうシステムに落とし込んでいくかという部分も変わってきますね。
-毎日アップデートが必要な根気のいる作業ですね、想像するだけで心が折れそうです。
めっちゃ面倒臭いのでこの会議だけ結構暗くなります(笑)
ただ、これが出来る出来ないってのは非常に大事になってくると思います。
とにかく行く
ranQkanの使用イメージ図
-想像の解像度や具体度はどのように上げていますか?
ドブ板行脚です。人に話を聞きに行く、現場を見に行く。
地味ですが「想像」する上でとても大事な事だと思います。
僕はこれまで0→1を今までずっとやってきたので1番最初の何がうまく行くか分からない、1番パワーがいる状態の時こそ現場に行って見聞きする事が大事だなと感じています。
10年近く不動産や賃貸管理を目にする現場にいましたがまだまだ分からない事は沢山あります。ただその10年で出来た知り合いや、色んな業者さんとの繋がりでに直接聞きまくったり、自ら不動産会社の集まりに飛び込んでそこで出会った人達にとにかく自分の考えやアイデアをぶつけたりもしていました。
-そこまで現場にこだわる理由を教えてください
現場感や現場のペインが分かっていなければ想像出来無いからです。
またそれが分かってない状態でITを導入するというのは絶対無理だと思います。
楽に効率的にすると言われるITですが、楽にするまでが一番大変で…。楽する為には何倍も現場に行くべきだと考えています。それに現場を見てないとITを導入して本当に楽になったのかなんて分からないですから。
実際にあった経験ですが、サラリーマン時代に「ノーコードで楽になるサービス作ったぞ!わっはっはー!」って言って、現場にインタビューしに行ったら現場では「はぁ?こんなぐっちゃぐちゃなモノ使えないですけど…」みたいな事になってたことも(笑)
-分かります。事業開発でITで…ってなると現場行かないとですよね。
IT人材のやりたい事や気持ちはすごくわかります。やっぱりFAXしか使ってないようなDXしてない場所は沢山あるので。「FAX使ってるような顧客はターゲットじゃ無いから無視しよう」って色々開発とかやっちゃうと思う。
ただそういった開発等を現場感が無いまま放置してしまうと、新たに人の手が必要になる無駄な作業が絶対に発生しちゃう。だからこそ色んな所に色んなプレイヤーがいる事を想像して、現場感が無い状況でいきなりシステムを開発しないというのも大事になってくると思います。
社長がめんどくさがって社員の手を煩わせるような事はしない。会社で1番熱い思いを持っている人間は社長だと思うんです。社長以上に熱くなれる人間はいない。そんな人間が大事な所に出ていくのは必要な事だと考えています。賛否あると思いますけど(笑)
-つまり現在御社が成長しているのは現場感を理解した想像があるからでしょうか?
不動産業界に長くいたので現場のペインも分かっています。また僕も不動産オーナーなので賃貸管理の悩みやオーナーさんの気持ちも分かっています。なので想像ができる。加えて賃貸管理業務がそもそもできて、IT知識もあり業務フローを作成する事ができるスタッフが揃っている事が成長している理由です。
-最後になりますが今後の事業はどのように想像されてますか
1人200世帯ぐらいの管理が限界と呼ばれる中で、2000部屋3000部屋を1人で管理できるような圧倒的にDXしたオンライン賃貸管理プラットフォームを作ることをまず達成します。
その後日本全国の不動産を管理し、賃貸管理会社が今までとっていたキャッシュポイントとは別のシェアリングサービスや入居者のスコアリングを活かした広告サービスなど賃貸管理を基盤としたビジネスはいくらでもあると思っているので、様々なサービスを作っていく事を想像しています。
-本日インタビューした株式会社OH YEAH様の情報
会社HP